• はっぴぃ。商い。行きます。聞きます。提案します。

「まだまだ自分は元気やし、引退は先の話や」と考えておられる経営者の皆さん。その一方で、「子どもに苦労はかけさせたくないし、継いでくれとは言い出しにくい…」「うちの会社に、人さんがお金を払ってくれるほどの価値なんてあるんやろか…」と、一人で悩みを抱えていませんか?

早くに店を開け、長年通ってくれるお客さんの顔を思い浮かべながら仕込みをする。そんな毎日が当たり前になっていると、ご自身の年齢やこれからのことを考えるのは、ついつい後回しになってしまうと思います。

私たち串本町商工会には、そんな事業承継に関する漠然とした不安の声が、少しずつ増えてきているように感じます。

この記事では、事業承継のリアルな現状と、皆さんが抱えるお悩みの本質を探り、できるだけ分かりやすくお伝えしたいと思います。この記事を読んでいただくことで、

決して難しい話ではありません。大切な会社を、そして従業員さんの生活を、どうすれば未来に繋いでいけるのか。一人で悩まず、まずはこの記事をきっかけに、私たちと一緒に考えてみませんか?

「自分の代で店をたたむのは寂しいけど、仕方ないか…」と諦めてしまう前に、少しだけ今の状況を見てみませんか。

実は、今、日本全国で会社の跡継ぎがいない「後継者不在」の問題が、待ったなしの状況になっています。特に私たちのような中小企業、小規模事業者にとって、これは他人事ではありません。

帝国データバンクの2024年の調査によると、全国の後継者不在率は 52.1%。つまり、2社に1社はまだ後継者が決まっていないのが現実なんです。串本町も例外ではありません。

この数字は、単なる統計ではありません。私たち串本町にとっては、もっと身近で、切実な問題です。例えば、町に一軒しかない金物屋さんがなくなったら? 地元の人に愛されてきた食堂がのれんを下ろしたら?

それは、せっかくロケットを見に来てくれた観光客の方がお金を使う場所も、お土産を買う楽しみも減ってしまうことを意味します。

そして何より、町に暮らす私たちにとっても、いつも利用していたお店がなくなることで、日々の生活に支障が出てくることにも繋がりかねないのです。

事業承継は、一社の問題ではなく、町の活気そのものを左右する大きな問題だと思います。

そして、皆さんにぜひ知っておいていただきたいのが「2025年問題」です。これは、団塊の世代の経営者の多くが75歳を超え、事業を続けるかどうかの決断を迫られる時期が目前に迫っている、ということです。

もし、経営者さんが病気などで突然倒れてしまったらどうなるでしょうか。準備ができていなければ、会社の価値は大きく下がり、従業員さんは路頭に迷い、ご家族には大きな負担がかかってしまいます。

「まだ元気やから大丈夫」と思っていても、時間は刻一刻と過ぎていきます。病気やケガなど、いつ何が起こるかわかりません。いざという時に慌てて準備を始めても、良い条件で会社を譲ったり、従業員さんに安心して引き継いだりすることは非常に難しくなってしまいます。

事業承継は、経営者の皆さんが元気で、判断力も体力もあるうちから、余裕をもって準備を始めることが何よりも大切です。

事業承継の話になると、多くの方が「子どもや従業員に、自分と同じような苦労はさせたくない」とおっしゃいます。その優しい気持ち、痛いほどよく分かります。

しかし、その親心や優しさが、かえって事業承継を難しくしているケースが少なくないことも、知っていただきたいのです。

経営者さんの胸の内

長年、人生をかけて育ててきた会社は、ご自身のアイデンティティそのものです。「社長」という看板がなくなることへの寂しさや、「この仕事は自分にしかできん」というプライドが、引退への決断を鈍らせることがあります。

また、後継者候補のお子さんに「継いでほしい」という本音を言えずに、「もし断られたら親子関係が気まずくなるかもしれん…」と、一人で抱え込んでしまう方もいらっしゃいます。

後継者候補の胸の内

一方、お子さんや従業員の側にも言い分があります。「親の事業に将来性を感じない」「会社の借金の個人保証まで引き継ぐのはリスクが高すぎる」といった、非常に現実的で合理的な考えです。

個人保証というのは、もし会社が倒産した場合、後継者個人の財産、例えば自宅などを失う可能性があるという重い責任です。これでは、なかなか「継ぎます」とは言いにくいと思います。また、親から何も言われないので、「自分は期待されていないんだな」と解釈し、別の道に進んでしまうケースもあると思います。

このようにお互いが遠慮し、本音で語り合わないまま時間が過ぎていく…。これが、事業承継が進まない一番大きな原因なのかもしれません。

まずは、ご自身の気持ちを正直に話してみませんか。「本当は、この会社をどうしたいのか」「息子(従業員)に、どう思っているのか」。たとえ気まずくても、一度、家族会議を開いてみる。そこからすべてが始まります。

「こんな小さな会社、誰も買ってくれへんやろ」「価値なんてないわ」と、ご自身の会社を低く見てしまっている経営者さんもいらっしゃると思います。

しかし、会社の価値は、皆さんが思っている以上に、きちんと存在します。ここでは、難しい計算は抜きにして、基本的な考え方だけお伝えしますね。

会社の価値は、大きく分けて2つの足し算で考えます。

目に見える資産価値(時価純資産)

これは、今もし会社をたたんだらいくら残るか、という考え方です。

お店の土地や建物、トラックや漁船、在庫のマグロや商品、預金など、目に見える資産から、借入金などの負債を差し引いたものです。いわば、会社の「土台」の部分ですね。

例えば、お店の土地建物の価値が1000万円、在庫や預金が300万円、借金が500万円なら、この部分の価値は800万円になります。

目に見えない稼ぐ力(営業権・のれん)

こちらが非常に大切です。決算書には載ってこない、その会社の本当の強みであり、買い手が最も注目する部分です。

例えば、「〇〇さんの店なら間違いない」という長年のお客さんからの信頼従業員さんが持っている熟練の技術「串本で魚を食べるならあそこ」という評判(ブランド)他では真似できないタレのレシピや、独自の仕入れルートなど。

これらは、将来にわたって利益を生み出す「稼ぐ力」であり、立派な価値なんです。M&Aの世界では、この「のれん」を、「年間の利益の3年~5年分」などと評価することが多いようです。

もし、税金を引いた後の利益が年間200万円あるとすれば、それだけで600万円から1000万円の価値があると見なされる可能性がある、ということです。

この2つを合わせると、皆さんが想像しているよりも、ずっと大きな価値になる可能性があります。ご自身の会社の価値を正しく知ることは、自信をもって次のステップに進むための第一歩です。

今回は、事業承継の現状と、皆さんが抱えやすいお悩みについてお話ししました。最後に、大切なポイントを3つにまとめます。

事業承継は、経営者人生の集大成ともいえる、とても大きな決断です。不安や寂しさを感じるのは当然のこと。ですが、決して一人で抱え込まないでください。

実は、この串本町では、私たち商工会だけでなく、金融機関や町の役場などが「ワンチーム」となって皆さんを支える「事業承継ネットワーク」という仕組みがあります。

私たち商工会は、皆さんの事業への想いや、ご家族への気持ちといった「心」の部分に寄り添ってお話を聞くのが役目です。最初の相談窓口として、まずは皆さんの気持ちを整理するお手伝いをさせてください。

そして、お金の計算や手続きといった専門的な話になれば、和歌山県事業承継引き継ぎ支援センターなど、その道のプロにスムーズにバトンを繋ぎます。

皆さんが「どこに相談すればいいのか」と悩んだり、「たらい回し」にされたりすることなく、安心して最後まで相談できるよう、地域全体で伴走していきますので、ご安心ください。

まずは、あなたの今の正直な想いを、私たちに聞かせていただけませんか。

◆和歌山県事業承継・引き継ぎ支援センター:公式サイト

【専門家による無料個別相談会のご案内】

「いきなり商工会に行くのはちょっと…」と感じる方や、「もっと専門的な話が聞きたい」という方のために、特別相談会もご用意しています。

9月4日(木)と10月9日(木)には、商工会館で「和歌山県事業承継・引継ぎ支援センター」などの専門家を招いた個別相談会を開催します。事業承継のプロに、無料で直接相談できる絶好の機会です。

【9月4日(木)】経営特別相談会
【10月9日(木)】経営特別相談会

もちろん、相談したからといって、すぐに何かを決めなければいけない訳ではありません。「ちょっと話を聞いてみたい」という軽い気持ちで大丈夫ですので、ぜひこの機会をご活用ください。秘密は厳守しますので、安心してお越しくださいね。


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