Googleビジネスプロフィール完全活用ガイド～無料で始めるお店のネット集客～

「インターネットでお客さんを増やす方法があるらしいけど、何から手をつけていいか分からない…」そんなお声を聞くことが増えました。特に、長年この町でお店を続けてこられた経営者の皆さんにとっては、新しいことへの挑戦は少し億劫に感じられるかもしれませんね。

ですが、ご安心ください。この記事では、お金をかけずに、皆さんがお持ちのスマートフォン一つで始められる、とても効果的な集客方法「Googleビジネスプロフィール」について、やさしく解説していきます。

この記事を最後まで読んでいただければ、

1. なぜ今、ネットでのお店の情報発信が大切なのか、その本当の理由が分かります。
2. スマートフォンだけで、すぐにお店の情報を登録・編集できるようになります。
3. お客様がもっと来たくなる、プロも実践する具体的なコツが7つも身につきます。

私たち串本町商工会が、皆さんの新しい一歩を全力でサポートしますので、どうぞ最後までお付き合いください。

なぜ今、Googleビジネスプロフィールが大切なの？

まず初めに、なぜこのツールが、今のお商売にとってこれほど大切なのか、その理由からお話しさせてください。

お客様は「スマホ検索が当たり前」の時代です

例えば、串本に観光で来たご家族が、「この近くで美味しい海鮮丼のお店はないかな？」と思った時、まず何をするでしょうか。多くの場合、スマートフォンを取り出して「串本 海鮮丼」と検索するはずです。

その時、検索結果の一番目立つ場所に、地図と一緒に3つほどのお店が写真付きで紹介されます。これを専門的には「ローカルパック」と呼びますが、難しいことはさておき、ここに表示されるかどうかで、お客様にお店を見つけてもらえる確率が全く変わってくるのです。

ホームページの難しい知識（SEO）がなくても、このGoogleビジネスプロフィールの情報をきちんと整えるだけで、検索結果の最高の一等地に、皆さんの大切なお店を表示させることができる。これが最大の魅力です。

無料で始められる、最も身近な集客方法です

「でも、インターネットに情報を載せるのはお金がかかるんだろう？」と思われるかもしれませんが、このGoogleビジネスプロフィールは、なんと無料で使うことができます。

これまでチラシを作ったり、広告を載せたりするには費用がかかりましたが、これはお金ではなく、ほんの少しの手間をかけるだけで、新しいお客様にお店の存在を知ってもらえる、とても強力な味方なんです。

まずはここから！基本の登録と3つの設定

「自分にもできるだろうか…」と不安に思われるかもしれませんが、大丈夫です。パソコンがなくても、スマートフォンさえあれば簡単に始められます。

ステップ①：ご自身のお店の「オーナー確認」をしよう

実は、皆さんが登録していなくても、Googleが自動でお店の情報を地図に載せている場合があります。まずはGoogleマップのアプリを開いて、ご自身のお店の名前を検索してみてください。

お店の情報が出てきたら、その中に「このビジネスのオーナーですか？」という表示がないか探しましょう。もしあれば、そこから画面の指示に従って手続きを進めます。これは、お店の情報をきちんと管理するために「私がこのお店の持ち主です」とGoogleに知らせる、とても大切な作業です。

ステップ②：お店の「顔」となる基本情報を整えよう

オーナー確認が終わったら、次はお店の「顔」となる情報を整えていきます。お客様が一番知りたい情報を、正確に、分かりやすく入力しましょう。

• 店名、住所、電話番号： お店の看板やチラシに書いているものと、一字一句同じになるように入力するのがコツです。
  
• 営業時間： 「今日は開いているかな？」はお客様が一番気にする点です。曜日ごとの営業時間はもちろん、お正月やお盆など、特別な時期の営業時間も忘れずに設定しましょう。
  
• お店のカテゴリー： 「飲食店」だけでなく、「寿司店」「ダイビングショップ」「民宿」のように、より具体的に選ぶと、探しているお客様に見つけてもらいやすくなります。

ステップ③：写真や動画で、お店の温かい魅力を伝えよう

文字だけでは伝わらないお店の雰囲気を、写真や動画でお客様に届けましょう。プロが撮ったような立派な写真でなくても大丈夫です。

• 外観・内観の写真： お店の場所が分かる外観や、店内の温かい雰囲気が伝わる写真を載せましょう。最近では、店内をぐるっと見渡せる「360度写真」をスマートフォンで撮ることもできますよ。
  
• 商品・サービスの写真： なんといっても一番の自慢である、お料理や商品の写真を載せましょう。獲れたての魚や、お部屋からのオーシャンビューなど、串本ならではの魅力が伝わる一枚がいいですね。
  
• スタッフの写真： 皆さんの素敵な笑顔は、何よりの魅力になります。

【重要】知らないうちに情報が書き換わる？定期的な確認を忘れずに

ここで一つ、とても大切な注意点があります。実は、Googleビジネスプロフィールの情報は、オーナーである皆さんだけでなく、一般の利用者やGoogle自身が修正することがあるのです。

例えば、親切な旅行客が「このお店、水曜日が定休日になってるけど、本当は火曜日だよ」とGoogleに知らせて、情報が書き換わってしまうことがあります。もし間違いに気づかずにいると、お客様にご迷惑をかけてしまいますよね。

ですから、月に一度はご自身のページを見直して、情報が間違っていないかを確認する習慣をつけてください。これはお店の信頼を守るために、とても重要な作業です。

お客様がもっと来たくなる！明日から使える7つの応用術

基本を押さえたら、次はお客様との繋がりをもっと深めるための、一歩進んだコツをご紹介します。

応用術①：「投稿」機能で、お店の「旬」を届けよう

お店の「今」を発信できる「投稿」機能を使いこなしましょう。「最新情報」だけでなく、「特典（クーポン）」や「イベント」といった目的別の投稿もできます。

• 飲食店なら… 「（特典）この投稿を見せたら、ドリンク1杯サービス！」
• 小売店なら… 「（イベント）今週末、ポンカン詰め放題セール開催します！」
• 宿泊施設なら… 「（最新情報）お部屋の窓から見える、だるま夕日の季節になりました。」

応用術②：「口コミ」は、お客様との大事な交換日記です

お客様から寄せられる「口コミ」は、お店にとっての宝物です。良い口コミはもちろん、厳しいご意見も、お店をより良くするためのヒントになります。

• すべての口コミに返信する： 感謝の言葉や、改善の約束を丁寧に伝えることで、お店の誠実な姿勢が他のお客様にも伝わります。
• 口コミを増やす工夫： レジの横に「よろしければ、Googleマップで口コミを投稿してくださいね」と書いた小さなカードを置くだけでも効果がありますよ。

応用術③：「商品・サービス」を登録して、こだわりを伝えよう

お店で扱っている商品やサービスを、写真付きで詳しく登録できる機能です。これを使わない手はありません。

• 飲食店なら… 「名物カツオ茶漬け 1,200円」「串本獲れ地魚のお造り盛り合わせ 1,500円」など、値段と一緒にメニューを登録。
• 小売店なら… 「手作りさんま寿司 800円」「紀州備長炭 1kg 2,000円」といった商品を登録。

応用術④：「メッセージ機能」で、予約や問合せの機会を逃さない

お客様がお店に直接メッセージを送れる機能です。電話をかけるほどではないけれど、ちょっと聞きたい、という時にとても便利です。素早く返信することが、お客様の来店に繋がります。

応用術⑤：「Q&A」を、お店の「よくある質問集」にしよう

お客様が疑問に思うことを、先回りして解決してあげるのが「Q&A」機能です。実はこれ、お店側が自分で質問と回答を登録しておくことができるんです。

• Q. 駐車場はありますか？ → A. はい、お店の前に3台分の無料駐車場がございます。
• Q. クレジットカードは使えますか？ → A. はい、各種クレジットカードに対応しております。

応用術⑥：「属性」情報で、お店の特徴を分かりやすく

「テラス席あり」「バリアフリー対応」「Wi-Fi完備」など、お店の特徴を項目から選んで設定するのが「属性」です。細かく設定しておくことで、特定の条件でお店を探しているお客様に見つけてもらいやすくなります。

応用術⑦：「パフォーマンス」を見て、次の一手を考えよう

少し慣れてきたら、「パフォーマンス」という分析画面を見てみましょう。ここでは、どんな言葉でお客様がお店を探しているか、といった情報を見ることができます。

例えば、「串本 釣り船」という検索が多ければ、「もっと釣果の写真を投稿してみようか」とか、「串本 一人旅 宿」が多ければ、「一人旅歓迎プランの投稿をしてみよう」といったように、お客様の興味に合わせた次の一手を考えるヒントがたくさん隠されています。

困ったときは、私たち商工会が一緒に考えます

ここまで読んで、「機能がたくさんあって、やっぱり一人でやるのは難しそうだ…」と感じられた方もいらっしゃるかもしれません。でも、絶対に一人で抱え込まないでくださいね。

「オーナー確認のやり方が分からない」「どんな写真を載せたらいいか迷う」など、どんな些細なことでも構いません。そんな時は、いつでも私たち串本町商工会にご相談ください。長年、皆さんと一緒にこの町で歩んできた私たちが、一つひとつ丁寧にお手伝いさせていただきます。

この記事が、皆さんの商売繁盛の、新たなきっかけになれば、これほど嬉しいことはありません。