• はっぴぃ。商い。行きます。聞きます。提案します。

ネットショップを始めたいけれど、何から手を付ければよいのかわからない。すでに運営しているけれど、思うように売上が伸びない。最近では多くの事業者がそんな悩みを抱えているのではないでしょうか。

特に、商品撮影やページ制作、在庫管理など、実店舗とは異なるスキルが必要となるネット販売。「本業が忙しい中で、そこまで手が回らない」「投資に見合う効果が得られるか不安」という声も多く聞かれます。

先日、和歌山県よろず支援拠点のウェブコーディネーター松島氏による、ネットショップの成功事例セミナーに参加する機会を得ました。20年以上にわたりEC事業に携わってきた松島氏から、実例を交えた具体的な成功のポイントをお聞きすることができました。

本記事では、ホビーショップ、酒販店、農家といった、異なる業種での実践的な成功事例をご紹介。それぞれの事業者がどのように課題を乗り越え、成功への道を切り開いたのかをお伝えします。

事例から学ぶことで、自社に合った効果的なネットショップ運営のヒントが見つかるはずです。パソコンが苦手な方でも、経験豊富な方でも、すぐに活かせるノウハウをご紹介します。

各事業者の特徴を活かした戦略を学び、実践することで、あなたのお店も新たな販路を開拓し、売上アップに繋げていただければと思っています。

まず印象的だったのは、大手ネットショッピングモール(楽天市場やYahoo!ショッピングなどのECサイト)で年間売上ランキング2位を達成したホビーショップの事例でした。

松島氏によれば、このショップが何より重視したのは「お客様が欲しい商品を見つけやすいページ作り」だったとのことです。例えば、プラモデルを販売する際、初心者の方には「どこに何があるのか」が分かりにくいものです。そこで、商品をシリーズや作品別に分類し、関連する工具や塗料まで含めて、探しやすい配置を工夫したそうです。

特に興味深かったのは、ネットショップのデザインについての考え方です。最近のネットショップでは、華やかな画像やアニメーション効果を使った装飾的なデザインをよく目にします。しかし、このショップでは、見た目の華やかさよりも「使いやすさ」を重視したとのこと。私見ですが、これは実店舗で例えると、きれいな店内装飾よりも、商品を探しやすい陳列を優先するような考え方に近いのかもしれません。

また、新商品情報の掲載についても特徴的な取り組みがあったそうです。予約販売が始まった段階で即座に商品情報を掲載し、いち早く情報を求めるお客様のニーズに応えていました。このスピード感が、お客様からの信頼獲得につながったとのことです。

このホビーショップの事例から学べるポイントを整理すると

このように、顧客の利便性を追求したページ作りが、結果として購入点数の増加や客単価の向上につながり、大きな成功を収めた事例といえるでしょう。

接着剤や塗料といった単価の小さな商品でも、メイン商品と合わせて購入してもらえる仕組みづくりが、売上向上の重要なポイントとなったようです。

次に印象的だったのは、コロナ禍での飲食店向け販売激減を機に、ネットショップに参入した酒類販売店の事例です。

当初は商品在庫が300アイテムほどしかない状態からのスタートだったそうですが、予想外の発見があったとのこと。なんと、ラム酒が洋菓子の材料として人気を集め始めたのです。私も初めて知りましたが、家庭での手作りスイーツブームと相まって、思わぬニーズが見つかったようです。

特に興味深かったのは、在庫品の販売方法です。なかなか売れない商品を、そのまま販売するのではなく、福袋形式で提供するなど工夫を凝らしたそうです。人気の高級ウイスキーを目玉商品として組み込むことで、お客様の購買意欲を高めることに成功したとのことでした。

松島氏がこの事例で強調されていたのは、「とにかく商品を動かす」という考え方でした。多少利益が少なくても商品を販売し、その資金で新たな商品を仕入れる。この循環を作ることで、徐々に品揃えを充実させていったとのことです。この「商品回転」の重要性には強く共感しました。

また、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の活用方法も印象的でした。このショップの運営者の方はTwitterで10万人のフォロワーを抱えており、その発信力を活かして商品情報を広めることに成功されたそうです。単にネットショップを開設するだけでなく、SNSでの情報発信を組み合わせることで、より多くのお客様にリーチできた好例だと感じました。現在では、InstagramやLINEなど様々なSNSが活用できますが、このように効果的な発信方法を工夫することで、大きな成果が期待できるのだと思います。

この酒類販売店の事例から学べるポイントを整理すると

このように、既存の商品や資産を最大限に活用しながら、新たな販路を開拓した好例といえるでしょう。

特に印象に残ったのが、パソコン操作が苦手な農家の方の成功事例です。この話は、ネットショップ運営に不安を感じている方々に、大きな希望を与えてくれるものだと思いました。

この農家の方は、産直専門のネットショップモール(ポケットマルシェやたべチョクのような販売サイト)を利用することで、複雑なシステム構築や運営の手間を最小限に抑えることができたそうです。出品から集荷までの流れが整備されているため、農作業に専念しながらネット販売を行うことができたとのことでした。

また、商品の「見せ方」にも工夫があったそうです。低農薬栽培という特徴を、詳しく丁寧に説明することで、安全性や品質へのこだわりを伝えることに成功されたとのこと。見た目の規格が不揃いな農産物でも、自然な栽培方法による結果として、むしろ価値に変えることができたそうです。

さらに、パッケージやロゴにもこだわりを持って投資をされたそうです。すると、うれしい副次効果があったとのこと。商品を購入したお客様が、SNSで自発的に商品の写真を投稿してくれるようになり、新たな宣伝効果が生まれたそうです。

この農家の事例から学べるポイントを整理すると

このように、ITリテラシーに頼るのではなく、既存のプラットフォームを上手く活用し、商品の強みを効果的に伝えることで成功を収めた好例といえるでしょう。

また、見た目のデメリットを逆手に取った価値創造や、お客様を巻き込んだ情報発信の仕組みづくりなど、農産物販売における新たな可能性を示した事例となっています。

このセミナーを通じて、ネットショップの成功には、画一的な「正解」があるわけではないことを学ばせていただきました。それぞれの事業者が持つ強みを活かし、時には弱みさえも個性として活用することで、独自の成功への道を見出せるのだと感じました。

また、すべての事例に共通していたのは、「まずは始めてみる」という実行力の大切さです。完璧を求めすぎず、できるところから一歩を踏み出すことが、成功への第一歩なのだと理解しました。

このように、ネットショップの運営には様々なノウハウが必要です。当商工会では、皆様の経営に関するご相談に対応するため、毎月第一木曜日に経営特別相談会を開催しています。

この相談会では、和歌山県よろず支援拠点のコーディネーターも相談窓口を設けており、ネットショップに関する相談も承っています。

▶ 経営特別相談会の詳しい内容はこちらをご覧ください:https://kushimoto-shokokai.com/archives/9150

さらに、和歌山県よろず支援拠点では、本部での相談も随時受け付けています。セミナーの講師を務めていただいた松島氏のように、経験豊富なコーディネーターが、事業者の皆様の状況に合わせて、具体的なアドバイスを無料で提供させていただきます。

▶ 和歌山県よろず支援拠点 公式サイト:https://yorozu.yarukiouendan.or.jp/

ネットショップの新規立ち上げをお考えの方はもちろん、すでに運営されている方で売上アップを目指したい方も、まずは気軽にご相談ください。

よろず支援拠点へのご相談は、電話(073-433-3100)で受け付けているとのことです。

この記事を読んでいただいた皆様も、ネットショップでの成功を目指して、一歩を踏み出してみませんか? 私も今回のセミナーで学んだことを活かし、チャレンジを続けていきたいと思います。

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