中小企業の働き方改革をわかりやすく解説！7つの重要ポイント

働き方改革への対応に悩んでいませんか？2024年から2025年にかけて、様々な制度変更が実施され、多くの経営者の方が対応に苦慮されています。

串本町商工会では、毎月第一木曜日に働き方改革推進支援センターの専門家をお招きして特別相談会を開催しています。法改正への対応から具体的な取り組み方まで、経営者の皆様の悩みに寄り添ったサポートを提供しています。

本記事では、中小企業の経営者が知っておくべき働き方改革の7つのポイントを、分かりやすく解説します。この記事を読むことで、

1. 2024年からの制度変更の全体像が理解できる
2. 自社に必要な対応が明確になる
3. 具体的な取り組み方が分かる といったメリットが得られます。

取り組みやすい項目から段階的に進めることで、従業員も会社も大切にする働き方改革を実現しましょう。

◆働き方改革についての小冊子をコチラからご覧いただけます。
◆毎月開催の特別相談会についてはコチラの記事を御覧ください。

働き方改革とは？従業員も会社も大切にする取り組み

働く人の生活を守りながら、会社の成長も実現する。それが働き方改革の目指すところです。

今、日本の企業は大きな課題に直面しています。若い世代が減って人手不足が進む一方で、育児や介護をしながら働く人が増えています。これまでのような「朝から夜まで」「会社一筋」という働き方では、立ち行かなくなってきているのです。

そこで重要になってきたのが「働き方改革」です。これは、働く人が自分の生活に合わせて、無理なく長く働き続けられる環境をつくる取り組みのことです。

働き方改革で特に大切なことは

• 残業時間を減らして、心身の健康を守ること
• 子育てや介護と仕事を両立できるようにすること
• パートさんも正社員も、同じ仕事なら同じ待遇にすること
• 職場でのいじめやハラスメントをなくすこと
• 仕事の進め方を工夫して、効率よく働けるようにすること

このような取り組みは、はじめは「面倒だ」「コストがかかる」と感じるかもしれません。しかし、実際に取り組んだ会社からは、次のような喜びの声が聞かれています：

「優秀な人材が採用できるようになった」 「社員の休みが増えても、かえって仕事が効率的になった」 「会社の評判が良くなり、取引先からの信頼も高まった」

このように、働き方改革は決して負担ではなく、むしろ会社の成長のチャンスといえます。本記事では、これからの7つのポイントについて、具体的な進め方を解説していきます。

職場のハラスメントをなくして、安心して働ける環境をつくる

いじめやいやがらせのない職場づくりは、会社の基本的な責任です。従業員が安心して力を発揮できる環境をつくることで、会社も成長していきます。

職場でのいじめやいやがらせ（ハラスメント）は、被害を受けた人の心と体を傷つけるだけでなく、職場全体の雰囲気を悪くし、会社の評判も損なう重大な問題です。会社には、これらを防ぐための具体的な対策が求められています。

ハラスメント防止のために、会社が取り組むべき重要なポイントは

• 経営者が「ハラスメントは絶対に許さない」という強い意志を示すこと
• 相談窓口をつくり、悩みを打ち明けやすい環境をつくること
• 相談があったときは、すぐに対応すること
• 研修などを通じて、全従業員の理解を深めること

これらの取り組みを効果的に進めるため、串本町商工会では毎月第一木曜日に専門家による無料相談会を開催しています。

例えば、次のような相談ができます。

• 就業規則の見直し方
• 相談窓口の作り方
• 従業員研修の進め方
• トラブルが起きたときの対応方法

専門家に相談することで、自社に合った具体的な対策を見つけることができます。「うちの会社は小さいから」と悩まず、まずは気軽に相談会に参加してみませんか。

残業を減らして、会社の生産性を上げる

長時間労働を見直し、効率的な働き方を実現することは、従業員の健康と会社の成長の両方につながります。

2024年4月から、残業時間の規制が強化されました。月60時間を超える残業には、賃金の50%増しの手当を支払う必要があります。この機会に、仕事の進め方を見直してみましょう。

ある製造業の会社では、次のような工夫で成果を上げています。

• 仕事の無駄を見直し、効率的な進め方を考えた
• 従業員が複数の仕事を覚え、繁忙期も助け合えるようにした
• 機械やシステムを導入して、作業時間を短縮した

その結果、残業時間が半分に減り、かえって生産性が上がったそうです。

残業時間の削減に向けて、まずは現状を確認することから始めましょう。

1. 残業が多い部署や時期を把握する
2. 仕事の進め方を見直す
3. 無駄な作業を減らす
4. 従業員の多能工化を進める
5. 必要に応じて設備投資を検討する

一緒に、効率的な職場づくりを考えていきましょう。

◆時間外労働の上限規制についてのわかりやすい解説はコチラを御覧ください。

休息時間をしっかり取って、従業員の健康を守る

仕事の合間にしっかりと休むことは、従業員の健康と安全を守るだけでなく、仕事の質も高めます。

疲れをため込まないよう、仕事と仕事の間に十分な休息時間を取ることが大切です。研究でも、適切な休息を取ることで、ミスが減り、仕事の効率が上がることが分かっています。

具体的には

• 6時間を超える勤務では45分以上の休憩
• 8時間を超える勤務では1時間以上の休憩
• 勤務終了から次の勤務まで、一定時間の間隔を空ける

特にトラック、バス、タクシーの運転手さんには、8時間以上の休息時間を取ることが法律で義務付けられています。その他の仕事でも、9-11時間の休息時間を取ることが推奨されています。

ある運送会社では、休息時間を確保するため、次のような工夫をしています。

• 運転手さんの勤務時間を正確に記録
• 十分な休息が取れるようシフトを組む
• 緊急の仕事は複数の運転手さんで分担

その結果、事故やミスが減り、お客様からの評価も上がったそうです。

同一労働同一賃金で実現する公正な待遇

同じ仕事をしているのに待遇が違う、そんな不公平をなくしていくことが、これからの会社には求められています。

「正社員だから」「パートだから」という理由だけで、賃金や待遇に差をつけることは適切ではありません。2024年からは、仕事の内容や責任に応じた公平な待遇にすることが、より一層求められています。

実際の取り組み方としては

• まず、それぞれの仕事の内容と責任を明確にする
• 賃金や手当の決め方のルールを整理する
• 休暇や福利厚生の利用条件を見直す

ただし、全く同じ待遇にする必要はありません。仕事の内容や責任の違いに応じた、説明できる違いは認められています。

待遇の見直しは、一度にすべてを変える必要はありません。まずは現状を把握し、できるところから少しずつ改善していきましょう。

障がいのある方の雇用で、誰もが活躍できる職場に

一人一人の得意分野を活かせる職場づくりは、会社全体の力を高めることにつながります。

2024年4月から、企業での障がいのある方の雇用率が2.5%に引き上げられました。これは「決まりだから仕方なく」ではなく、多様な人材が活躍できる職場をつくるチャンスです。

ある製造業の会社では、次のような工夫で成果を上げています。

• まず、職場の環境を点検し、必要な改善点を見つけた
• 障がいの特性に合わせて、仕事の内容を工夫した
• 従業員全員で理解を深める勉強会を開いた

その結果

• 丁寧な仕事ぶりが評価され、製品の品質が向上
• 職場全体のコミュニケーションが活発に
• お客様からの信頼も高まった

はじめての障がい者雇用に不安を感じる方も多いと思いますが、専門家を活用して実践的なアドバイスをもらいましょう。

社会保険の加入で、従業員の将来も安心

従業員が安心して働き続けられる環境をつくることは、会社の安定した成長につながります。

2024年10月から、従業員51人以上の会社では、パートタイムの方も社会保険に加入することになりました。これにより、より多くの従業員が将来への備えを確保できるようになります。

具体的な対象は

• 週20時間以上働いている方
• 月の給与が88,000円以上の方
• 2ヶ月を超えて働く予定の方 （ただし、学生は対象外です）

社会保険に加入すると、従業員には次のようなメリットがあります。

• 将来の年金が増える
• 病気やけがのときの保障が充実
• 家族への保障も手厚くなる

従業員が安心して働ける環境づくりは、会社の大切な投資です。この機会に、ぜひ相談会を活用してみてください。

まとめ：一歩ずつ進める働き方改革

2024年から2025年にかけて、働き方改革に関する様々な制度変更が行われます。

具体的には

• ハラスメント防止対策の強化
• 残業時間の上限規制と割増賃金率の引き上げ
• 勤務間インターバル制度の推進
• 同一労働同一賃金の徹底
• 障がい者雇用率の引き上げ
• 社会保険の適用拡大

これらの変更は、一見すると大きな負担に感じるかもしれません。しかし、この機会に職場環境を見直すことで、以下のようなメリットが期待できます。

• 従業員の健康と働きがいが向上
• 業務の効率化で生産性が向上
• 人材の確保と定着率が向上
• 会社の評判や信頼度が向上

取り組みのポイントは

1. 現状を正確に把握する
2. 優先順位をつける
3. できることから始める
4. 段階的に進める
5. 効果を確認しながら改善を重ねる

串本町商工会では、毎月第一木曜日に働き方改革推進支援センターの専門家による特別相談会を開催しています。働き方改革についてお悩みの方は、ぜひご相談ください。一緒に、あなたの会社に合った働き方改革の進め方を考えていきましょう。

相談内容の例

• 各種制度変更への具体的な対応方法
• 就業規則の見直し方
• 労働時間の管理方法
• 業務効率化の進め方
• 助成金の活用方法

働き方改革は、急いで進める必要はありません。むしろ、じっくりと腰を据えて、着実に進めていくことが大切です。まずは気軽に相談会にお越しください。専門家が親身になって相談に応じ、実践的なアドバイスを提供いたします。

毎月第一木曜日の経営特別相談会をご活用ください

【1月9日（木）】お困り事！ワンストップ支援！経営特別相談会のお知らせ／広域商工会東牟婁協議会