創業間もない事業者の皆様にとって、事業展開のための資金調達は重要な課題です。令和6年度の小規模事業者持続化補助金<創業型>が公表され、創業後3年以内の事業者を対象とした支援制度が始まります。
この記事では、令和7年3月6日現在で公表されている情報をもとに、補助金の概要や申請方法について解説します。
小規模事業者持続化補助金<創業型>の基本情報
小規模事業者持続化補助金<創業型>は、創業後3年以内の事業者を重点的に支援する制度です。販路開拓等の取組や、それと併せて行う業務効率化の取組に必要な経費の一部を補助します。
補助金の概要
- 補助上限額: 200万円
※インボイス特例対象事業者は、上記金額に50万円の上乗せが可能
- 補助率: 2/3
- 対象経費:
- 機械装置等費
- 広報費
- ウェブサイト関連費
- 展示会等出展費(オンラインによる展示会・商談会等を含む)
- 旅費
- 新商品開発費
- 借料
- 委託・外注費
- 公募期間:(暫定)
- 公募要領公開: 2025年3月4日(火)
- 申請受付開始: 2025年5月1日(木)
- 申請受付締切: 2025年6月13日(金)17:00
- 事業支援計画書(様式4)発行の受付締切: 2025年6月3日(火)
詳細な情報は、小規模事業者持続化補助金<創業型>公式サイトでご確認いただけます。
補助対象者の条件
小規模事業者の定義
業種ごとに以下の従業員数で判断されます。
- 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く): 常時使用する従業員の数 5人以下
- サービス業のうち宿泊業・娯楽業: 常時使用する従業員の数 20人以下
- 製造業その他: 常時使用する従業員の数 20人以下
申請要件
- 開業日(設立年月日)が公募締切時から起算して過去3か年の間であること
- 産業競争力強化法に基づく「認定市区町村」または「認定市区町村」と連携した「認定連携創業支援等事業者」が実施した「特定創業支援等事業」による支援を受けていること
◆特定創業支援等事業についてはコチラ
法人の場合は代表者が、個人事業主の場合は本人自身が支援を受けている必要があります。
創業前の方や、申請時点で開業していない創業予定者は対象外となりますので注意が必要です。
申請に必要な準備
GビズIDプライムの取得
申請にはGビズIDプライムのアカウント取得が必要です。GビズIDの取得には数週間程度を要しますので、未取得の方は早めに利用登録を行ってください。
GビズID公式サイトから登録手続きを進めましょう。
必要書類の準備
- 申請書類(電子申請システムで入力)
- 持続化補助金事業に係る申請書(様式1)
- 経営計画兼補助事業計画①(様式2)
- 補助事業計画②(様式3)
- 補助金交付申請書(様式5)
- 宣誓・同意書(様式6)
- 商工会・商工会議所から取得する書類
- 自社の経営状況を示す書類
- 貸借対照表および損益計算書(直近1期分)
- 株主名簿(該当者のみ)
- 確定申告書
- 現在事項全部証明書または履歴事項全部証明書(法人の場合)
- 開業届(個人事業主の場合)
- 創業支援に関する書類
- 「特定創業支援等事業」による支援を受けたことの証明書
- 創業計画書等(必須ではありません)
詳細な書類リストは、暫定公募要領の24~28ページをご確認ください。
申請の流れ
- GビズIDプライムの取得
- 経営計画・補助事業計画の作成
- 自社の経営状況分析、経営方針・目標、今後のプランを考えます
- 具体的で実現可能性の高い補助事業計画を策定します
- 事業支援計画書の発行依頼
- 地域の商工会・商工会議所に「事業支援計画書(様式4)」の発行を依頼します
- 発行の受付締切は2025年6月3日(火)ですので、余裕をもって依頼しましょう
- 電子申請システムでの申請
- 必要書類を全て揃え、電子申請システムから申請します
- 申請受付締切は2025年6月13日(金)17:00です
- 採択後の手続き
- 経費の価格の妥当性を証明する見積書等の提出
- 交付決定(2025年8月頃予定)後に事業開始
- 事業実施、実績報告書の提出
- 補助金の受け取り
補助対象経費と注意点
対象となる経費の例
以下は補助対象となる経費の一例です。
- 機械装置等費: 販路開拓に必要な機械装置の購入費用
- 広報費: チラシ・カタログの作成費、広告掲載費
- ウェブサイト関連費: 自社サイトの構築・改修費用
- 展示会等出展費: 展示会の出展料、関連する運搬費
- 旅費: 販路開拓のための出張旅費
- 新商品開発費: 試作品の開発費用
- 借料: 機器・設備等のリース料
- 委託・外注費: 店舗改装費、専門家への相談費用
注意すべき点
- 補助金は後払いです(自己資金で事業を実施後に精算)
- 交付決定日以降に発生し、補助事業実施期間中に支払いが完了した経費のみが対象です
- 既に支払いが完了している費用は対象外です
- 通常の事業活動に係る経費(仕入れや既存機械の取替等)は対象外です
- 自社内での取引による経費は対象外です
まとめ
令和6年度の小規模事業者持続化補助金<創業型>は、創業後3年以内の事業者にとって、販路開拓を進める絶好の機会です。最大200万円(インボイス特例適用で250万円)の補助金を活用して、事業の成長を加速させましょう。
現在公表されている情報は暫定版ですので、最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。また、申請にはGビズIDプライムが必要ですので、まだ取得していない方はGビズID公式サイトから早めに手続きを進めましょう。
詳細な要件や手続きについては、暫定公募要領をダウンロードしてご確認いただくか、最寄りの商工会にご相談ください。