「いつかは自分の店を持ちたい」「このアイデアで事業を始めたいけど、何から手をつけていいか分からない」。そう感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。事業計画や資金のこと、人を雇うことなど、考え始めると不安はつきものですね。
私たち串本町商工会は、そんな皆さんの想いを、長年にわたり応援してきました。この記事では、あなたの夢を具体的な一歩に変えるための「創業セミナー」について、その魅力と活用法を詳しく、そして分かりやすくご紹介します。
この記事をじっくり読んでいただければ、
といった、創業への不安を希望に変えるヒントが見つかるはずです。あなたの挑戦を、私たち商工会が全力でサポートします。
目次
「人口も減っているし、この町で新しく商売を始めるのは難しいのでは…」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。確かに、私たちの東牟婁地域は、他の多くの地域と同じように、人口減少や高齢化といった課題を抱えています。しかし、視点を変えれば、ここには大きな可能性と、新しい挑戦を応援する温かい土壌があります。
例えば、串本町には日本初の民間ロケット発射場「スペースポート紀伊」ができました。ロケットという大きな夢が、この町から打ち上げられる時代です。これは、地域全体が新しい挑戦に対して前向きになっている証拠ではないでしょうか。
観光の面でも、美しい海や自然は国内外から多くの人々を惹きつけています。これらの地域資源を活かした新しいサービスや、住民の暮らしを豊かにするような事業には、まだまだたくさんのチャンスが眠っています。
課題があるということは、それを解決する新しいビジネスが求められているということです。例えば、高齢化に対応した配食サービスや移動支援、空き家を活用した体験型宿泊施設など、地域のニーズに寄り添った事業は、きっと多くの人から喜められるはずです。
このセミナーは、そんな地域の未来を創るあなたのアイデアを、実現可能な事業へと育て上げるための第一歩となるでしょう。
さて、今回のセミナーの大きな柱となるのが「特定創業支援等事業」という制度です。少し難しく聞こえるかもしれませんが、これは国が設けた、創業を目指す皆さんを地域ぐるみで応援するための、とても心強い仕組みとなっています。
具体的には、本セミナーで定められた「経営」「財務」「人材育成」「販路開拓」の4分野すべてを受講し、学びを修了された方に対して、お住まいの町村(串本町など)が「創業に必要な知識をしっかり習得しましたよ」という認定を行います。
この認定が、いわば公的な「お墨付き」となり、創業の夢をぐっと現実に引き寄せてくれます。会社を設立する際の手数料が安くなったり、融資が受けやすくなったりと、創業時に最もハードルとなる資金面で、大きなメリットが受けられるようになるのです。
この大切な機会を、ぜひあなたの事業のために活かしていただきたいと考えています。
それでは、町村から認定を受けることで、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。創業者にとって特に嬉しい、4つの優遇措置について詳しく見ていきましょう。
会社(株式会社や合同会社)を設立する際には、「登録免許税」という税金を法務局に納める必要があります。
これは、設立時の資本金の額によって決まりますが、最低でも株式会社なら15万円、合同会社なら6万円が必要です。創業時の出費は少しでも抑えたいもの。
この認定を受けていれば、この登録免許税が半額に軽減されます。つまり、株式会社なら7.5万円、合同会社なら3万円の節約になるのです。これは、創業初期の運転資金として、とても大きな助けになりますね。
事業を始めるには、多くの場合、金融機関からの融資が必要になります。しかし、実績のない創業者にとって、融資の審査は簡単なものではありません。
通常、信用保証協会による「創業関連保証」は事業開始2ヶ月前から利用できるものですが、この認定を受けていれば、なんと事業開始の6ヶ月も前から保証の対象となります。
早くから資金調達の準備を進められるため、余裕を持った事業のスタートが可能になります。これは、安心して事業の準備に集中できる、大きなアドバンテージです。
創業者にとって最も身近な金融機関の一つが、日本政策金融公庫です。公庫の「新創業融資制度」は、多くの創業者を支えてきましたが、通常は自己資金の要件などがあります。
しかし、この認定を受けていることで、その自己資金の要件が緩和されるのです。「自己資金が少し足りない…」と諦めかけていた方にとっても、融資の道が開ける可能性があります。事業への熱意と計画をしっかり伝えれば、公庫も力強く後押ししてくれます。
お店のチラシを作ったり、ホームページを立ち上げたり、新しい商品を開発したりと、販路開拓には何かと費用がかかります。そんな時に頼りになるのが「小規模事業者持続化補助金」です。
この認定を受けていると、補助金の上限額が通常よりも大幅に引き上げられる「創業枠」に申請することができます。最大で200万円の補助が受けられるこの制度は、あなたの事業のスタートダッシュを強力にサポートしてくれるでしょう。
この補助金の詳細については、小規模事業者持続化補助金<創業型>についての記事もぜひご覧ください。
創業の夢をかたちにする上で、欠かせないのが「事業計画書」です。頭の中にある素晴らしいアイデアも、書き出して整理してみることで、初めて具体的な目標や課題が見えてくるものですね。
今回のセミナーでは、実際に融資の現場で使われている、日本政策金融公庫の様式を使った「創業計画書」の作成に挑戦します。まずは、あなたの頭の中にある想いや考えを、専門家と一緒に計画書に落とし込んでみませんか?それが、夢への確かな一歩になります。
この計画書は、いわばあなたの事業の設計図。誰に、何を、どのように提供し、どうやって利益を上げていくのかを具体的に示すものです。融資を受ける際にはもちろん、自分自身の考えを整理し、事業の成功確率を高めるためにも不可欠です。
今回のセミナーでは、和歌山県よろず支援拠点より、各分野の専門家が、この事業計画書の作成を力強くサポートします。
◆経営・財務会計担当:鈴江 明紀 氏(中小企業診断士)
「売上目標はどう立てれば?」「資金繰りは大丈夫だろうか?」そんなお金に関する不安を、専門的な視点から解決に導きます。持続可能な事業の土台となる、堅実な計画作りをお手伝いします。
◆人材育成担当:津森 俊彦 氏(社会保険労務士)
「人を雇う時のルールは?」「社会保険の手続きが分からない」など、従業員に関する疑問にお答えします。安心して働ける職場環境づくりは、事業の成長に欠かせません。
◆販路開拓担当:榎本 好晃 氏(販促・デザイン専門)
「どうすれば商品が売れるだろう?」「効果的な宣伝方法を知りたい」といった、マーケティングの悩みを解決します。あなたの素晴らしい商品やサービスを、どうすればお客様に届けられるか、一緒に考えます。
専門家と対話しながら計画書を作成することで、一人では気づけなかった課題が見えたり、アイデアがさらに磨かれたりします。この機会を最大限に活用してください。
参加費は無料です。安心してご参加ください。
(両会場とも同一の内容で実施いたします。ご都合の良い会場をお選びください)
11月8日(土)13:30~16:45(経営・財務会計)
11月22日(土)13:30~16:45(人材育成・販路開拓)
11月15日(土)13:30~16:45(経営・財務会計)
11月29日(土)13:30~16:45(人材育成・販路開拓)
※「特定創業支援等事業」の認定には、上記4科目すべての受講が必要です。
WEBからのお申し込みが便利です。以下のリンクからお申し込みください。
また、これまで通りお近くの商工会窓口、お電話・FAXでもお申し込みいただけます。
ここまで、創業セミナーの内容と、それがあなたの事業にとっていかに大きな力になるかをお伝えしてきました。最後に、大切なポイントを3つにまとめます。
新しい一歩を踏み出すことは、誰でも不安なものです。しかし、あなたは一人ではありません。この地域には、あなたの挑戦を応援する私たち商工会がいます。そして、同じ志を持つ仲間と出会える場があります。
まずは「話だけでも聞いてみよう」という軽い気持ちで構いません。ぜひ、セミナー会場に足を運んでみてください。私たちと一緒に、夢への第一歩を踏み出してみませんか。会場でお会いできることを、心から楽しみにしています。
創業に関するご相談は、セミナーに限らずいつでも受け付けております。当商工会の経営支援もご活用ください。