• はっぴぃ。商い。行きます。聞きます。提案します。

皆さん、こんにちは。突然ですが、皆さんは『月刊商工会』という情報誌をご存知でしょうか?

これは全国の商工会の取り組みや最新の経営情報を伝える冊子なのですが、実は全会員様に配布されているものではありません。そのため、「見たことがない」「手元にない」という方も多いかと思います。

しかし、先日届いた最新の1月号を読んで、私は思わず唸ってしまいました。

能登半島地震から2年が経過した今だからこその「復興」や「備え」の特集が、まるで私たち串本町の未来を案じているかのように、切実かつ重要なヒントに溢れていたからです。

「この貴重な情報を、冊子が届かない会員様にも伝えたい!」

そう強く感じ、今回はその特集記事や対談の中から、特にここ串本の事業者にとって「大事だ」と感じたポイントを5つに厳選して抜粋し、ご紹介させていただくことにしました。

「小さな店だから関係ない」
「人が減っていく中で、どう商売を続ければいいのか」

そんな不安を抱える皆さんにこそ読んでいただきたい内容です。厳しい環境でも「人の絆」と「ちょっとした工夫」でたくましく生き抜くためのヒントを、私と一緒に見ていきましょう。

能登半島地震から2年という月日が流れました。「もう2年」と感じる方もいれば、復興の遅れを目の当たりにして「まだ2年」と唇を噛む方もいらっしゃるでしょう。

被災地では、いまだに公費解体が完了していない地域もあり、なりわいの再生も道半ばです。しかし、そんな瓦礫の中からでも、力強く立ち上がろうとする経営者たちの姿があります。

私たち串本町に住む者にとって、能登の光景は決して「遠くの出来事」ではありません。同じ半島地域であり、高齢化が進む港町。そして、近い将来必ず来ると言われている南海トラフ地震。「その時」が来たとき、私たちはどうやって命を守り、どうやって商売を再開するのか。2年が経った今だからこそ、感情論だけでなく、現実的な「経営の生存戦略」として考える時が来ています。

ただ戻すだけじゃない、マイナスからの「創造的復興」

被災地の事業者さんたちは、地震で壊れてしまった店や工場を、単に「震災前と同じ状態」に戻すことを目指しているわけではありません。失われたものを嘆く時間を乗り越え、新しい知恵を加えて「前よりも強く、魅力的な商売」へと生まれ変わらせようとしています。これを専門用語で「創造的復興(Build Back Better)」と呼びますが、現場で起きているのはもっと泥臭く、熱いドラマです。

例えば、石川県能美市で「大和屋」を運営する「合同会社別所商店」の事例は、私たちの胸を打ちます。彼らは被災して出荷できなくなった酒蔵の日本酒を廃棄するのではなく、コーヒー豆の焙煎に活用し、「SAKE珈琲」という全く新しい商品を開発しました。

実はこれ、被災した酒蔵の蔵元と、商工会青年部で苦楽を共にした仲間だったからこそ生まれた協力関係だそうです。普段の「飲み会」だと思われがちな集まりが、いざという時の最強のホットラインになったのです。これは単なる商品開発ではありません。「地域の味を絶やさない」という執念と、平時から培った「仲間との絆」が生んだ、復興のシンボルです。

◆参考:大和屋 ホームページ

また、能登町にある「むらのもちや」の事例も示唆に富んでいます。震災後の人口流出で従業員が激減し、以前のような人海戦術はとれなくなりました。そこで彼らは諦めて廃業するのではなく、思い切って機械化を進め、少人数でも利益が出る「筋肉質な経営体質」へと転換しました。さらに、地元だけでなく全国へ販路を広げることで、商圏の縮小をカバーしています。

「ピンチをチャンスに」と言うのは簡単ですが、実際にそれを成し遂げている彼らの姿は、「人が減ったからもうダメだ」と諦めかけている私たちに、強烈な勇気とヒントを与えてくれます。

◆参考:むらのもちや ホームページ

「正常性バイアス」を捨てろ。平時の「事前防災」だけが会社を守る

「防災」と聞くと、つい「うちは小さな店だから、何かあったらその時考えるよ」と後回しにしてしまいがちです。人間には「自分だけは大丈夫」と思い込む「正常性バイアス」という心理が働きます。しかし、全国商工会連合会の顧問も務める松村祥史参議院議員らが強く訴えるように、災害が起きてから考え始めたのでは、手遅れになることが今回の震災で痛いほど証明されました。

平時の「事前防災」こそが、あなたと、あなたの大切な従業員、そして会社を守る唯一の盾です。

BCP(事業継続計画)といっても、分厚いマニュアルを作る必要はありません。まずは、以下の3つを「明日」ではなく「今日」やってみてください。

1.「命の約束」を決める(緊急連絡網)

携帯電話の基地局が倒れ、LINEも電話も繋がらない状況を想像してください。その時、従業員や家族とどうやって安否を確認しますか?「店が潰れたら、〇〇小学校の裏門に集合」といったアナログな約束事こそが、混乱の中で命綱になります。

2.「商売の記憶」を守る(データのバックアップ)

店や商品が流されても、顧客台帳やレシピ、経理データがあれば、商売は必ず再開できます。逆に、これらを失うと、再起への道のりは果てしなく遠くなります。紙の台帳はコピーして避難袋へ。パソコンのデータは、USBメモリだけでなく、クラウド(インターネット上の保管場所)にも上げておく。「デジタルの避難場所」も確保してください。

3.「思考停止」からの脱却

「どうせ津波が来たら終わりだ」と考えるのをやめましょう。「津波が来ても、これだけは守り抜く」「3日後には、炊き出しでお客さんに温かいものを振る舞う」。そんな具体的なイメージを持つこと自体が、立派な防災訓練です。

商工会では、こうした「身の丈に合ったBCP」の策定を一緒に考えています。「何から手を付ければいいか分からない」という方は、ぜひ相談に来てください。備えがあれば、憂いは減らせます。

最近は「DX」や「デジタル化」という言葉ばかり耳にしますが、商売の根本にあるのはやはり「人」です。デジタル技術が進化すればするほど、逆に温かい人間関係や「義理人情」の価値が見直されています。

困ったときはお互い様、「見返りを求めない」地域コミュニティの底力

『月刊商工会』の新春対談で、俳優の梅沢富美男さんと全国商工会連合会の森義久会長が語り合っていましたが、震災のような有事の際に一番頼りになるのは、国や行政の支援が届くまでの間を支え合う「隣近所の助け合い」です。

「見返りを求めない支援」や「困ったときはお互い様」という精神は、古臭いものではなく、地域の防災力そのものです。

こうした地域の絆を守っているのは、男性陣だけではありません。商工会女性部の活動も、地域の防災に大きく貢献しています。

例えば、福島県の女性部は震災時に泥だらけになった写真を洗浄して持ち主に返す活動を行いましたし、兵庫県の女性部では「VR防災体験会」を実施して地域の防災意識を高めています。また、日頃のフリーマーケットの収益を地域の福祉(社会福祉協議会への寄付)や災害義援金として送り続け、地域のセーフティネットを支えている事例もあります。

青年部も女性部も、そして職員も。組織全体が「誰かのために」動くこと。それが商工会の本当の強さなのです。

国も認める「地域のかかりつけ医」、人とのつながりがセーフティネット

私たち商工会も、単に書類作成をお手伝いするだけの事務的な場所ではありません。経営の悩みはもちろん、時にはちょっとした愚痴をこぼしに来ていただくだけでも構いません。

「身近で相談しやすい商工会は、商売におけるかかりつけ医のような存在」

これは、越智俊之 経済産業大臣政務官が第65回商工会全国大会で述べられた言葉です。国も、商工会が地域医療のように欠かせないインフラであると認めているのです。

デジタルツールは便利ですが、画面越しでは伝わらない温度感があります。顔を合わせて話すことで生まれる安心感や、人とのつながりが、いざという時のセーフティネットになります。

「こんなこと相談してもいいのかな?」と遠慮せず、ぜひ商工会の扉を叩いてください。お茶を飲みながら、これからの串本のことを一緒に話しましょう。

「人口が減って客足が遠のいた」「求人を出しても人が来ない」。こうした悩みは、串本町だけでなく全国の地方都市共通の課題です。しかし、厳しい環境の中でも知恵を絞り、独自の戦略で生き残りを図っている仲間たちがいます。

「まさか」の組み合わせが客を呼ぶ?異業種連携の事例

香川県さぬき市の「株式会社ドルチェ三共(志度ダイハツ)」は、なんと自動車販売店でありながら、沖縄のアイスクリーム「ブルーシール」の販売特約店「パーラーあまの」を始めました。

「車屋さんがアイス?」と驚きますよね。しかし、これが呼び水となり、アイス目当てのお客様が車にも興味を持ってくれるという相乗効果を生んでいます。これを「呼びアイス」戦略と呼ぶそうです。

◆参考:志度ダイハツ 店舗案内

串本でも応用できるかもしれません。例えば、「釣具店」が地元の「干物」を扱って釣り客のお土産需要を狙ったり、「美容室」で待ち時間に地元の「お菓子」を提供して販売につなげたり。

全く違う業種を組み合わせることで、今まで接点のなかったお客様を呼び込める可能性があります。「自分の店には関係ない」と思わず、意外な組み合わせがないか、私たちと一緒に考えてみませんか?

下請けからの脱却、自社の技術を信じてブランドを作る

また、岡山県の「株式会社襟立製帽所」は、長年の下請け仕事から脱却し、自社オリジナルの帽子ブランドを立ち上げました。顧客の声を直接聞き、企画から販売まで手掛けることで、利益率を高め、多くのファンを獲得しています。

◆参考:襟立製帽所 ホームページ

これは製造業だけの話ではありません。例えば、町内の工務店さんが、端材を使ってオリジナルの家具や小物を販売するのも一つのブランド化です。

「うちにはそんな技術はない」と謙遜される経営者さんも多いですが、長年商売を続けてきたこと自体が、確かな技術と信用の証です。その強みを活かして、小さくても良いので「自社だけの商品・サービス」を作ってみる。それが、価格競争に巻き込まれないための第一歩です。

物価高に賃上げ、インボイス制度への対応…。経営者の皆さんの肩には、今までにない重荷がかかっています。これらを個人の努力だけで乗り切ろうとするのは、あまりにも過酷です。だからこそ、使える制度や支援は徹底的に活用してください。

賃上げ・物価高…厳しい波を乗り越えるための環境整備

国もこの状況を静観しているわけではありません。第65回商工会全国大会でも強く要望が出された通り、価格転嫁(コスト増を価格に反映させること)をしやすくする環境整備や、生産性向上・賃上げに取り組む事業者への補助金など、様々な支援策が用意されています。

しかし、「補助金があるのは知っているけれど、申請書類が難しそうで…」と諦めてしまっている方も多いのではないでしょうか。非常にもったいないことです。これらの制度は、頑張る事業者を支えるためにあるのですから、使わない手はありません。

私たち職員が隣で走ります、「伴走支援」の活用法

そこで頼っていただきたいのが、私たち商工会の経営指導員です。私たちの仕事は、単に制度を紹介するだけでなく、皆さんと一緒に課題に向き合い、解決策を考え、実行までサポートする「伴走支援」です。

申請書の書き方が分からなくても大丈夫です。私たちが隣に座り、皆さんの想いや事業の強みを言葉にするお手伝いをします。「パソコンが苦手だから」と遠慮する必要もありません。

一人で悩んで立ち止まってしまう前に、まずは相談してください。私たちが皆さんの事業の「参謀役」として、一緒に汗をかきます。

ニュースで「AI(人工知能)」の話を聞かない日はありません。「AIに仕事を奪われる」なんて怖い話も耳にしますが、私はそうは思いません。むしろ、小規模事業者こそAIを味方につけるべきだと考えています。

AIには真似できない、商売人の「情熱」と「自分事」

作家の真山仁さんが『月刊商工会』の寄稿で指摘するように、AIは過去のデータを分析したり、文章をまとめたりするのは得意ですが、「ゼロから新しいものを生み出す情熱」や「責任を持って決断する」ことはできません。

商売において一番大切な、「お客様を喜ばせたい」という想いや、地域に対する愛情といった「自分事」として捉える力は、人間にしか持ち得ないものです。

「この商品は、あのお客さんの顔を思い浮かべて仕入れたんだ」というストーリーや、「今日は寒いから、温かいお茶を出そう」という気遣い。これらはAIには真似できません。だからこそ、AI時代になっても、皆さんのような心の通った商売人の価値は決して下がらないのです。

事務作業はデジタルに任せて、人は「人」に向き合おう

では、どうAIと付き合うか。答えはシンプルで、「面倒なことはAIに任せる」です。

例えば、新商品のPR文を考えるとき、AIに「30代の女性に響くような、甘酒の紹介文を3つ考えて」と頼めば、数秒で案を出してくれます。また、会計ソフトと連携させれば、面倒な帳簿付けも自動化できます。

そうして浮いた時間で、お客様とゆっくり会話をしたり、新しいメニューを考えたりする。これこそが、賢いAIの活用法です。AIはあくまで「便利な道具」。主役はあくまで、経営者である皆さん自身です。新しい道具を恐れず、上手く使いこなして、もっと商売を楽しんでいきましょう。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

復興、防災、経営革新、そしてAI活用…。色々な話をしてきましたが、全ての根底にあるのは「人への想い」と「平時の備え」です。

災害対策もデジタル化も、決して大げさなことではありません。「常連さんの顔を思い浮かべて連絡先を控える」「従業員のために少しだけ機械を入れて楽にする」。そんな小さな「優しさ」と「工夫」の積み重ねが、いざという時に会社を守る大きな力になります。

どうか、一人で悩まないでください。私たち商工会職員は、皆さんの商売という「地域の灯り」を守るためにここにいます。書類の書き方一つ、スマートフォンの操作一つからでも構いません。いつでも私たちを頼ってください。

厳しい時代だからこそ、手を取り合って、温かい串本の未来を一緒に作っていきましょう。

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