2019年に「働き方改革関連法案」が施行され、長時間労働の減少・働きやすい環境の整備が進められる一方、人手不足の声が増えてきております。
施行後4年が過ぎました。たくさんの事例が出ておりますのでご紹介したいと思います。
働き方改革とは
2019年に厚生労働省が発表した定義です。
「働く人が、それぞれの事情に応じた様々な働き方ができるようにする改革」で、今後の労働力不足と労働者のニーズへの対応策全般を指します。
正社員ならば、残業は当たり前、週5日は必ず出社といった働き方が固定されてしまうと、子育てや介護などの事情を抱える人は働くことが難しくなってしまいます。
それぞれの事情に合わせて、様々な働き方の中から自分に合った働き方を選べるよう、企業や社会を変えていくことで、みんなが働きやすい社会を作る必要があります。
なぜ働き方改革が必要
◆◆働く人を増やす◆◆(今は働いていない女性や高齢者が働きやすい環境をつくる)
と今の子供たちがお年寄りになる頃には、近所にお店がほとんどないことになりかねません。
そこで、今までは働くことができなかった子育て中の人・お年寄り・介護中の人なども働ける環境を整えることで、働く人を増やし労働力不足を補うことにつながります。
◆◆出生率を上げる◆◆(将来の働く人を増やす)
少子高齢化を解消するため、必要になるのが出生率の向上です。
子供を産んだ後も女性が働きやすく、育児と仕事を両立できる環境を整えることが重要です。
◆◆労働生産性を上げる◆◆(同じ仕事を短い時間で終わらせる)
日本の労働生産性はOECD(加盟37カ国)の中で26位と低い順位となっています。
労働生産性を上げることができれば、同じ仕事を今までよりも短い時間で終わらせることができ、残業や休日出勤を減らすことが出来ます。
施行されている法律
働き方改革関連法で施工されているのは、労働時間の短縮など以下のとおりです。
それぞれの概要はこちら
法律が施行されてどんな感じ?
◆◆調査結果◆◆
(株)NTTデータ経営研究所 NTT コム オンライン共同調査「働き方改革の取り組み状況」より抜粋
<プラスの変化>
<マイナスの変化>
◆◆労働時間を減らすだけではダメ◆◆
製造業で労働時間を減らすと、商品が減って売上や給料も少なくなります。
また時間が短くなったのに、同じ数を作るとなると品質が低下します。
このように働く時間を減らすことにばかり気が向いてしまうと、給料も下がるためやる気の低下を招いたり、サービス残業など社員の負担が大きくなり逆効果となってしまいます。
そのため、今までよりも少ない時間で同じだけの物をつくったり、事務を終わらせたりといった生産性をあげることが大切になります。
そして、生産性があがった時にはその分を給料や休暇など、処遇の改善として社員に還元することが重要になります。
働き方改革事例集(生産性をあげるのに何をすればいいの?)
生産性をあげるには、手順の見直しを行ったり、手作業を機械化することが思いますが、その方法は業種や各事業所により様々です。今回は「業務改善助成金」を使った主な導入事例を紹介いたします。
業務改善助成金の案内はこちら(HPは令和5年度の案内になっております。正式な案内はまだですが、令和6年度も継続される予定です。)
◆◆生産性向上のヒント集◆◆
画面は令和3年発行分からの抜粋です。
◆◆主な業種の概要はこちら◆◆
印刷業 飲食業 卸売業 クリーニング業 建設業 小売業(食品) 小売業(その他)
自動車整備業 製造業(食品) 製造業(その他) ハウスクリーニング/ビルメンテナンス業
全ての業種はこちらからご覧ください。(エクセルファイル)
どこに相談すればいいの?
厚生労働省が各都道府県に設置している「働き方改革推進支援センター」では、労務管理の専門家が無料で働き方改革に関する個別相談やコンサルティングを実施しております。
また、生産性向上に向けた取組への各種助成金の活用支援も実施しております。