皆さん、暖かい春の陽気が心地よい季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
事業者の皆さんから、「最低賃金が上がる中で人件費負担が大きい」「設備投資をしたいけれど資金面が不安」というお声をよくお聞きします。特に従業員数の少ない小さなお店や会社では、賃金アップと設備投資を同時に進めるのは大変なことですよね。
そんな皆さんに朗報です!厚生労働省の「業務改善助成金」の2025年度版がスタートしました。この助成金は、従業員の賃金引上げと生産性向上のための設備投資を同時に支援してくれる強い味方です。地域の皆さんの経営を応援する立場から、今回はこの制度の最新情報と活用ポイントをご紹介します。
目次
業務改善助成金は、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を一定額以上引き上げ、生産性向上のための設備投資等を行った場合に、その費用の一部を助成する制度です。
この制度の最大のメリットは、賃金アップと設備投資による生産性向上を同時に実現できることです。単に人件費が上がるだけでなく、業務の効率化や売上アップにつながる投資ができるため、持続的な経営改善につながります。
たとえば、民宿や飲食店などでも、POSレジシステムの導入や調理機器の設備投資などが対象になります。漁業関連の事業者さんなら、鮮度保持のための設備投資なども助成対象になる可能性があります。
詳しい制度内容や最新の申請要件については、和歌山労働局の公式サイトでも確認いただけます。常に最新の情報をご確認の上、申請をご検討ください。
2025年度の業務改善助成金には、いくつかの変更点があります。変更内容を確認して、申請の準備を進めましょう。
申請は2つの期間に分かれています。
第1期
第2期
特に第2期は、秋に予定される最低賃金改定に合わせた申請となりますので、計画的な準備が必要です。今からスケジュールを考えておきましょう。
この助成金を利用できるのは、以下の条件を満たす中小企業事業者です。
助成額は、賃金引上げ額と引上げる労働者数によって変わります。例えば、30円コースの場合、引上げる労働者数が1人なら30万円、7人以上なら100万円という具合に上限額が設定されています。
事業場内最低賃金によって助成率も変わります。
また、事業場の規模が30人未満の場合は、より高い助成上限額が適用されます。町内の小規模事業者の皆さんにとっては、この点は大きなメリットでしょう。
助成対象となるのは「生産性向上、労働能率の増進に資する」と認められる設備投資等です。具体的には以下のようなものが対象になります。
なお、単なる経費削減目的の投資(LED電球への交換など)や事務所の快適化(エアコン設置、内装工事など)は対象外です。
町内の事業者の皆さんが本助成金を活用するうえで、以下のポイントをご参考にしていただければ幸いです。
特に串本町では、2025年からのスペースポート紀伊関連の観光客増加が見込まれています。この機会に生産性向上のための投資を行い、将来の需要増加に備えるのも良いタイミングではないでしょうか。
串本町商工会では、毎月第一木曜日に経営特別相談会を開催しており、わかやま働き方改革推進支援センターの社会保険労務士の先生も来られます。お申し込みいただければ適切なアドバイスを受けられます。私たちもサポートいたします。 経営特別相談会の詳細は以下でご確認いただけます。
◆経営特別相談会:https://kushimoto-shokokai.com/archives/9150
申請期限(第1期は2025年6月13日)に間に合うよう、早めのご相談をおすすめします。どのようなご質問でもお気軽にどうぞ。
まずは串本町商工会(0735-62-0125)までお電話いただくか、ご希望に応じて事業所へのご訪問も承っております。
一緒に賃金アップと生産性向上を実現し、串本町の事業者の皆さんがさらに元気になるよう取り組んでいきましょう!
申請書類の書き方など詳細については、和歌山労働局の業務改善助成金ページに様式や記入例が掲載されていますので、併せてご確認ください。串本町商工会では、これらの資料を参考にしながら、皆様の申請をサポートいたします。