串本町の事業者の皆さんは、お店に新しいお客様を呼び込むことに日々工夫を重ねていらっしゃることでしょう。特に観光客の方々に、もっと町内のお店を知っていただき、実際に足を運んでもらいたいと思いませんか?
そんな皆さんに朗報です。串本古座高校生が「持続可能なまちづくり」を目指してプロデュースした「串本がちゃ」を活用した地域応援プロジェクトが始まりました。このプロジェクトは、観光客が町内を回遊するきっかけ作りに取り組む画期的な試みです。
串本町商工会では、地域の事業者の皆さんが抱える集客の課題解決を長年サポートしてまいりました。今回のプロジェクトについて詳しく解説することで、新しいビジネスチャンスを見つけていただけるはずです。
この記事を読むことで、1)串本がちゃプロジェクトの仕組みと参加メリット、2)具体的な参加方法と運用手順、3)スペースポート紀伊との相乗効果による将来性が分かります。地域全体で支え合う新しい観光振興の形を、ぜひ一緒に作り上げていきましょう。
目次
串本がちゃは、串本古座高校2年生の有志6名が5ヶ月間かけて開発した地域活性化プロジェクトです。14回の授業と1回の休日学習を通じて、生徒たちが真剣に地域の未来を考え抜いた成果と言えるでしょう。
このプロジェクトの素晴らしい点は、単なる商品開発にとどまらないことです。地元産木材の端材やペットボトル再生カプセルを使用することで、環境に配慮した持続可能なものづくりを実現しています。さらに、木材会社から加工業者、福祉事業所まで、すべて町内で完結する製造体制を構築しました。
生徒の一人は「串本には串本にしかない価値がある。串本がちゃを一人でも多くの人に知ってもらい、串本を周遊してもらうきっかけになればうれしい」と語っています。この言葉からは、地域への深い愛情と未来への責任感が伝わってきますね。
高校生が主体となって地域課題に取り組む姿勢は、私たち大人にとっても大きな刺激となります。彼らの情熱と創意工夫を、地域全体で支えていくことが重要です。
串本がちゃは、3つのコンセプトで33種類の魅力的なアイテムを用意しています。「串本双海」はサンゴの海と海藻の海に棲む生き物、「KUSHIMOTO最南端フレンズ」は観光タワーやロケットの擬人化、「おうちDE橋杭岩」は橋杭岩のマグネット・フィギュアをテーマにしています。
価格は500円と手頃で、総製造数4,000個という限定性も魅力の一つです。道の駅くしもと橋杭岩、潮岬観光タワー、串本海中公園センターの3か所に設置され、それぞれの施設の特色に合わせた商品が中心となっています。
このガチャガチャの中には、参加店舗で使える「商品引換券」が同封されています。2025年7月15日から10月31日までの期間中、観光客の方々がこの引換券を持って皆さんのお店を訪れる仕組みです。
実際に、2025年3月の発売開始時にはNHK和歌山、朝日新聞、紀伊民報、PR TIMESなど複数のメディアで取り上げられ、大きな話題となりました。利用者からは「やったー」「レアや!」といった喜びの声も聞かれており、観光客の皆さんに楽しんでいただけている様子が伺えます。
このプロジェクトに参加することで、これまでお店を知らなかった観光客の方々に来店していただく絶好の機会が生まれます。商品引換券を持った方は、500円相当のプレゼントを目的に来店されますが、そこからが皆さんの腕の見せ所です。
プレゼントをきっかけとして、他の商品やサービスにも関心を持っていただける可能性が高くなります。全国の類似プロジェクトでは、商品引換券などの仕組みを通じて新規顧客獲得に成功している事例が多数報告されており、リピーター創出の効果も期待されています。
特に重要なのは、スペースポート紀伊の本格運用による観光客増加との相乗効果です。ロケット打ち上げ1回あたり約5,000人の見学者が訪れる計画で、2024年3月の実績では8,500人もの方々が串本町を訪れました。この流れを町内回遊につなげることで、新たなビジネスチャンスが生まれる可能性があります。
また、ロケット打ち上げは今後年々回数が増える計画で、2033年には年間20~30回の打ち上げが予定されています。つまり、継続的な集客機会が期待できるということです。
このプロジェクトの優れた点は、参加店舗の負担を最小限に抑えていることです。お客様に提供していただくのは500円相当のプレゼントのみで、特別な設備投資や複雑な手続きは一切不要です。
精算についても安心できるシステムが用意されています。商品引換券1枚につき400円が実行委員会から支払われるため、実質的な負担は最大100円となります。つまり、皆さんが通常販売している商品の中から適切なものを選んでいただければ、負担なく参加できるということです。
運用方法も非常にシンプルです。お客様が商品引換券を提示されたら500円相当のプレゼントをお渡しし、引換券を回収して月初5日頃までに観光協会にお持ちいただくだけです。観光協会は回収のみを担当し、その後の確認・振込は実行委員会が行います。
重要なのは、プレゼント内容は各店舗で自由に設定できることです。おみやげやお菓子、ソフトクリームなどのテイクアウト商品など、皆さんのお店の特色を活かした商品を選んでいただけます。
参加をご希望の方は、串本がちゃ実行委員会までご連絡おねがいします。担当の谷舞章彦さん(電話:090-7346-9579、メール:aki@kushimoto.com)が詳しくご説明いたします。
申込み後は、提供していただく商品の内容を決めていただきます。金額の記載がない商品引換券ですので、500円相当であればどのような商品でも構いません。お店の看板商品やお試し商品など、新しいお客様に知っていただきたい商品を選ぶと良いでしょう。
運用開始は2025年7月15日からです。それまでに商品の準備とスタッフへの説明を済ませておいてください。商品引換券の見分け方や取り扱い方法について、事前に確認しておくことが大切です。
串本がちゃの設置場所である道の駅、観光タワー、海中公園センターには、参加店舗の案内も掲示される予定です。観光客の方々に皆さんのお店を知っていただく良い機会にもなるでしょう。
商品引換券の取り扱いで最も重要なのは、必ず回収することです。精算時に必要となりますので、紛失しないよう注意深く管理してください。お客様に商品をお渡しした際は、引換券と引き換えに行うことを忘れずに。
毎月の精算は月初5日頃を目途に行います。前月分の商品引換券をまとめて南紀串本観光協会にお持ちください。観光協会の役割は回収のみですので、そこで特別な手続きは不要です。
その後、串本がちゃ実行委員会で引換券の確認を行い、問題がなければ後日皆さんの指定口座にお振込みいたします。通常は月末までに完了する予定ですが、枚数が多い場合は若干遅れる可能性もあります。
注意していただきたいのは、400円を超えた部分は店舗様のご負担となり、別途精算はないことです。事前に提供商品の原価を計算し、適切な商品を選んでいただくことをお勧めします。
串本町は今、大きな転換点を迎えています。スペースポート紀伊の本格運用により、ロケット打ち上げ1回あたり約12億円もの経済波及効果が期待されています(三菱UFJ経済レポートより)。**スペースポート紀伊の詳細な経済効果について**は、こちらの記事で詳しく解説しています。
実際に、2024年3月のロケット打ち上げ時には、ふるさと納税が前年同月比4倍に増加しました。周辺ホテルも満室が続出し、地域経済への影響の大きさを感じられた方も多いのではないでしょうか。
この流れの中で、串本がちゃプロジェクトは観光客を町内全体に誘導する重要な役割を果たします。ロケット見学だけで帰られる方々を、皆さんのお店にもお迎えする仕組みを作っているのです。
2033年には年間20~30回の打ち上げが計画されており、継続的な観光需要が見込まれています。今回のプロジェクトに参加することで、この大きな変化の波を活かし、将来にわたる事業発展の基盤を築くことにつながる可能性があります。
私たち串本町商工会は、長年地域の事業者の皆さんをサポートしてまいりました。この経験から申し上げられるのは、持続可能な地域活性化には官民学の連携が不可欠だということです。
今回の串本がちゃプロジェクトは、まさにその理想形と言えるでしょう。高校生の創意工夫、行政の支援、民間事業者の協力が一体となって、新しい価値を生み出しています。環境に配慮した製造方法や地域内完結型の経済循環も実現しており、持続可能性の観点からも評価できます。
高校生たちの「串本には串本にしかない価値がある」という言葉は、私たち大人にとっても改めて地域の魅力を見つめ直すきっかけとなります。彼らの情熱を受け継ぎ、さらに発展させていくことが、私たちの使命ではないでしょうか。
このプロジェクトを通じて、事業者間の連携も深まることを期待しています。お互いの強みを活かし合い、町全体の魅力向上につなげていく。そんな未来に向けて、ぜひ皆さんも一歩踏み出してみてください。
**串本町商工会の販路拡大支援**では、県産品推奨制度なども含めて、様々な形で事業者の皆さんの成長をお手伝いしています。
本記事では、串本がちゃ地域応援プロジェクトについて詳しく解説しました。重要なポイントは以下の通りです。
串本がちゃプロジェクトは、単なる観光振興を超えた地域全体の持続可能な発展を目指す取り組みです。ぜひ、皆さんも参加して串本の未来を一緒に創っていきましょう。
参加をご希望の方は、串本がちゃ実行委員会(担当:谷舞章彦 090-7346-9579)までお問い合わせください。
この地域応援プロジェクトを通じて、観光客の皆さんに串本の魅力をより深く知っていただき、地域経済の活性化につなげていければと思います。高校生たちの熱い思いを受け継ぎ、みんなで串本を盛り上げていきましょう。