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和歌山県内の最新の景気動向調査によると、県内景況BSIは6.2ポイント下降し、一進一退の状況が続いています。

経営上の問題点として「売上不振」が28.0%で最多、次いで「人材不足・人員不足」が23.3%、「原材料価格の高騰」が21.6%と続いています。特に建設業では34.2%、サービス業では27.4%の事業者が人材不足を最大の課題として挙げています。

この記事では、最新の景気動向調査から見えてきた串本町を含む紀南地域の経営課題と、その解決に向けた具体的な対策をご紹介します。

景気動向調査令和7年1月~3月期/一般財団法人和歌山社会経済研究所

最新の和歌山県景気動向調査によると、紀南地域の景況BSIは13.6ポイント下降して△17.6となり、県内他地域と比較しても厳しい状況にあります。また、有効求人倍率は1.13倍と、人手不足の状況が続いています。

串本町の事業者の皆様にとっても、こうした県内の経済状況は他人事ではありません。観光や小売業、サービス業など多くの業種で共通の課題を抱えています。

しかし、地域の特性を活かした対策を講じることで、この状況を乗り切ることは可能です。

景気動向調査で最も多くの事業者が課題として挙げた「売上不振」。小売業では38.2%、製造業では31.0%の事業者がこの問題に直面しています。では、具体的にどのような対策が考えられるでしょうか。

調査では「販売価格BSI」が37.7と高水準になっており、価格転嫁が進んでいることが分かります。特に卸売業では販売価格への転嫁が46.2%と進んでいます。

原材料価格高騰の中、適切な価格設定は利益確保の鍵となります。自社の商品・サービスの価値を見直し、必要に応じた価格改定を検討しましょう。その際、値上げの理由を顧客に丁寧に説明することが大切です。

小売業では売上不振が特に深刻で、38.2%の事業者が課題としています。大手チェーンやECサイトとの価格競争では勝ち目がありません。しかし、地域の特産品や串本町ならではの魅力を活かした商品・サービスの開発は、差別化の大きな武器となります。

2025年からのスペースポート紀伊関連の観光客増加も見据え、地域資源を活かした新商品開発や体験型サービスの提供を検討してみてはいかがでしょうか。

脱炭素に関する調査では「業務・作業の効率化」を実施している事業者が38.2%となっています。業務効率化だけでなく、SNSやECサイトを活用した情報発信・販売は、特に観光や小売、飲食業において効果的です。

紀南地域の豊かな自然や食材、文化などの魅力を写真や動画で発信することで、観光客の誘致や商品の販売促進につなげることができます。

雇用適正度の調査では「不足」とする事業者が約4割を占め、人手不足の深刻さが浮き彫りになっています。建設業では34.2%、サービス業では27.4%の事業者が「人材不足・人員不足」を経営上の最大の問題点としています。

調査では賃上げを実施する事業者は62.1%と、前年度から減少したものの、「3%以上の増加」とする事業者は37.1%と増加しています。

また、賃上げの理由として「従業員の生活を支えるため」が61.2%、「従業員のやる気向上のため」が53.3%と上位を占めています。

人材確保のためには、適切な賃金水準の設定が重要です。特に若年層の確保には、生活できる賃金の提供が必須となります。

雇用者数BSIは△6.2となっており、人員確保の難しさが示されています。

フルタイム雇用だけでなく、パートタイムや短時間勤務、テレワークなど、多様な働き方を認めることで、子育て世代や高齢者など幅広い人材の確保につながります。

設備投資実施比率は20.8%となっています。人手不足の解消には、設備投資による省力化・自動化も有効な手段です。

レジの自動化やセルフオーダーシステムの導入など、比較的低コストで導入できるシステムも増えています。

製造業では「人材採用を強化するため」に賃上げを実施する事業者が23.5%と、前年から6.0ポイント増加しています。採用活動における自社の魅力発信と、既存社員の定着率向上は表裏一体です。

職場環境の改善や福利厚生の充実、社員の成長機会の提供などにより、働きやすい職場づくりを進めましょう。

調査では、2025年からスペースポート紀伊(ロケット発射場)関連の観光客増加が期待されています。 串本町には、今後追い風となる要素がいくつかあります。

日本初の水平型ロケット発射場の整備が進む串本町。これにより、新たな観光需要の創出や関連産業の発展が期待されます。観光業だけでなく、宿泊、飲食、小売など幅広い業種でのビジネスチャンスが生まれています。

紀勢自動車道の延伸により、大阪方面からのアクセスが改善。観光や物流の面で大きなプラスとなります。こうしたインフラ整備を活かした事業展開を検討しましょう。

テレワークの普及により、地方での生活や二地域居住を希望する層が増加しています。自然豊かな串本町の魅力を活かした関係人口の創出や移住促進の取り組みにビジネスチャンスがあります。

今回の景気動向調査では、県内景況BSIが下降し、売上不振や人材不足といった課題が浮き彫りになりました。しかし同時に、多くの事業者が積極的な賃上げや設備投資を実施しており、未来に向けた投資も行われています。

串本町の事業者の皆様も、目の前の課題に向き合いながら、2025年以降の地域の変化をチャンスに変える準備を進めましょう。商工会では、これらの経営課題解決に向けた様々な支援メニューをご用意しています。

経営の舵取りに悩まれた際は、ぜひ串本町商工会にご相談ください。景気動向調査の詳細データの提供や、それに基づく経営相談も承っています。皆様のビジネスの発展を全力でサポートいたします。


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