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「最低賃金の引上げで、人件費の負担が心配だ…」「使える支援制度がたくさんあるようだけど、情報が整理しきれない」

町内の事業者の皆さん、このようなお悩みを抱えてはいませんか?

令和7年11月1日から、和歌山県の最低賃金が、980円から1,045円に引き上げられました。これは、県内で初めて1,000円を超える大きな改定で、従業員を雇うすべての事業者の皆さんに関係がありますね。

私たち串本町商工会では、こうした経営の変化に対応するためのお手伝いをしています。この記事では、「和歌山県商工会報」の11月号から、串本町の事業者の皆さんに特に知っておいていただきたい大切な情報を、分かりやすくまとめてご紹介します。

この記事を読んでいただくと、

  1. 最低賃金改定に向けて、今すぐ確認すべきことが分かります。
  2. 賃上げを助ける「業務改善助成金」や「持続化補助金」の最新情報が分かります。
  3. 濱田智司先生の専門家アドバイスから、「お客様対応のヒント」が学べます。
  4. 事業所紹介や、いざという時に役立つ共済制度についても確認できます。

この記事が、皆さんの経営課題を解決する一歩となれば幸いです。

◆和歌山県商工会報11月号PDF版はコチラ

令和7年11月1日から、和歌山県の最低賃金が新しくなります。これは、従業員を雇用している全ての事業者に関わる、とても大切な改定です。

今回の改定で、和歌山県の最低賃金は、現在の時給980円から65円引き上げられ、1,045円となります。

適用される日は、令和7年11月1日(土)からです。

この日以降、和歌山県内で働くすべての労働者(パートやアルバイトの方も含まれます)に対して、時給1,045円以上の賃金を支払う必要があります。

今回の改定に向けて、事業者の皆さんに確認していただきたい点です。

まず、現在雇用している従業員の皆さんの時給が、1,045円以上になっているかをご確認ください。

もし月給制で支払っている場合は、その月給額を「1か月の平均所定労働時間」で割って、時給に換算する必要があります。その計算結果が、1,045円を上回っているかどうかの確認をお願いします。

もし、今の時給が1,045円を下回る場合は、就業規則や賃金規程の見直しが必要になりますね。

ご不明な点や、「どう進めたらいいか分からない」という場合は、私たち商工会がご相談に乗ります。社会保険労務士などの専門家につなぐお手伝いもできますので、ご安心ください。

◆詳しい情報は「和歌山労働局」のホームページでも確認できます。
◆また社会保険労務士への相談は商工会の特別相談会をご活用ください。

「最低賃金は分かったけれど、そのための負担が…」とご不安な方へ。

国には、賃上げを行う事業者の皆さんを支援する制度があります。代表的な2つの制度をご紹介しますね。

「業務改善助成金」は、事業所内で働く人の最低賃金を引き上げ、あわせて生産性を上げるための設備投資(例えば、新しい機械やレジシステム、コンサルティング導入など)を行った場合に、その設備投資にかかった費用の一部を助成してくれる制度です。

令和7年9月から制度が拡充され、使いやすくなりました。

例えば、これまでは対象外だった「事業場内最低賃金が、改定後の地域別最低賃金(1,045円)未満」の事業者の方も、対象に含まれるようになりました。

「うちの店でも使えるかな?」と気になった方は、ぜひ商工会にご相談ください。

◆詳細は「厚生労働省」のホームページでも確認できます。

「持続化補助金」は、お店の新しいチラシを作ったり、ホームページを作ったり、看板を新しくしたりといった「販路開拓(新しいお客さんを増やす取組)」や、「業務効率化」にかかる費用の一部を支援してくれる制度です。

現在募集中の「通常枠」では、補助の上限は50万円(補助率2/3)です。さらに、「インボイス特例」を選ぶと50万円、「賃金引上げ特例」を選ぶと150万円が、それぞれ上乗せされます。

申請には経営計画の作成が必要ですが、商工会がその計画書づくりをしっかりサポートいたします。

今回の申請締切は、令和7年11月28日(金)17:00です。(※商工会が発行する「事業支援計画書」の受付締切は、11月18日(火)まで)

申請は「GビズID」という電子申請システムのみとなっています。ID取得には2週間ほどかかることもありますので、お早めの準備をおすすめします。

今回の商工会報には、他にも役立つ情報がたくさん載っていました。

10月10日に奈良市で「経営支援事例発表近畿大会」が開催されました。

この大会は、私たち商工会の職員が、事業者の皆様に日頃どのような支援をしているかを発表し、同じ支援に携わる職員にノウハウを共有する場です。

和歌山県代表として、牟婁商工会の藤田佳彦(ふじたよしひこ)経営指導員が登壇されました。「梅干しメーカーの黒字化に向けた伴走支援」というテーマで、事業者さんと一緒になって課題を可視化し、新市場の開拓を進めた事例を発表され、会場の注目を集めました。

私たち串本町商工会も、藤田指導員のように、皆さんの「稼ぐ力」の向上に貢献できるよう、一層努力してまいります。

今号では、日高町でドッグラン併設のカフェを経営する「AZURE(アズール)」の林裕美さんが紹介されています。

「あおい海とあおい空」をコンセプトに、愛犬家の方とワンちゃんが一緒に楽しめる空間を提供されています。

オリジナルのタルタルソースがかかった「チキン南蛮定食」が人気定番メニューだそうです。

「ドッグラン併設」という、他のお店にはない強み(差別化)で、お客様の心をつかんでいる素晴らしい例ですね。串本町の皆さんの事業のヒントにもなるのではないでしょうか。

◆Instagramはコチラ

(株)紀の州コンサルティングの代表 濱田智司先生(中小企業診断士・社会保険労務士)によるアドバイスです。

今月のテーマは、「メインターゲットである顧客に、適切な対応をしていますか?」です。

濱田先生は、「来てくれたお客様全てがターゲット」という心意気も大切にしつつ、お店の収益を支えてくれる「最も重要なお客様層(メインターゲット)」を意識することが大切だとおっしゃっています。

そして、そのお客様層に向けて、

  1. 適切な「品揃え」:ターゲットが好まない商材を置いて専門性を下げていないか?
  2. 適切な「売り場づくり」:段ボールが置きっぱなし、掃除が行き届いていない、など不快な点はないか?
  3. 適切な「個客対応」:お客様の名前を呼ぶ、好みを把握するなど、一人ひとりに合わせた心遣いがあるか?

を行うことで、お客様は感動し、常連さんになってくれる、と解説されています。

皆さんも、ご自身のお店をもう一度見直すキッカケにしてみてはいかがでしょうか。

最後に、11月の税務情報と、事業者を守る共済制度のご案内です。

この機会に、インボイス制度への対応が漏れていないか、会計ソフトの設定は正しいかなど、再確認してみるのも良いですね。

場所は、近鉄百貨店(和歌山市)の地下1階「紀州路コーナー」です。地域の産品が販売されています。

11月23日(日・祝)10時~16時、かつらぎ町の「あじさいホール」野外ステージ広場で開催されます。
イベントチラシはコチラ

私たち商工会では、事業者の皆さんの万が一に備えるための、手頃な掛金の共済制度をご用意しています。

  • 商工貯蓄共済: 1口2,000円から始められる、貯蓄と保障がセットになった制度です。
  • 新型医療共済: 日帰り入院から長期入院まで、全ての入院が対象です。
  • 小規模企業共済: 個人事業主や経営者の皆さんのための「退職金制度」です。掛金は全額が所得控除の対象になります。
  • 経営セーフティ共済(倒産防止共済): 取引先が倒産した時の「連鎖倒産」を防ぐための制度です。
  • 全国商工会員福祉共済: 「けが」「病気」「がん」「生命」の4つの補償がセットになった安心の制度です。

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令和7年11月号の商工会報から、大切なポイントをお届けしました。

  • 11月1日から、和歌山県の最低賃金が1,045円になります。時給や月給の再確認をお願いします。
  • 賃上げには「業務改善助成金」や「持続化補助金(11/28締切)」などの支援制度を活用しましょう。
  • 濱田智司先生のアドバイス「メインターゲット顧客」を意識したお店づくり(品揃え・売り場・個客対応)が大切です。
  • 県内では、藤田佳彦指導員(牟婁商工会)やAZUREの林さん(日高町)など、素晴らしい取組が実践されています。
  • 万が一の備えに、小規模企業共済などの「共済制度」も、ぜひご検討ください。

串本町商工会では、各種補助金の申請サポートや、日々の経営相談を随時受け付けています。「ちょっと聞きたいんだけど」という、どんな小さなことでも構いません。ぜひお気軽にご相談くださいね。

和歌山県商工会報11月号(PDF)の全体はこちらからご覧いただけます。


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