
1月号でもお伝えしたように、2025年の小規模企業振興基本法改正により、「広域連携による経営支援センター」という新たな枠組みが導入されます。これは、複雑化・高度化する小規模事業者の経営課題に対応するための画期的な転換点となることが期待されています。
この取り組みは2026年度からの実施を予定しており、今月から4回に分けて詳細を解説します。
今回は、広域経営支援センターに求められる 1.「役割と効果」 について説明します。
ここでは、新たに設立される広域経営支援センターが果たすべき中心的な役割を定義し、その活動が地域経済全体に与える戦略的な重要性を明らかにします。
センターの設立は、単なる支援窓口の増設ではなく、地域経済の構造的課題に立ち向かうための新たなエンジンを創出する試みとして、強力に推進していきます。
現代の小規模事業者は、過去に類を見ないほど多様で複雑な経営課題に直面しています。「2024年版中小企業白書・小規模企業白書」によれば、その内容は深刻かつ多岐にわたります。
これらの課題は、記帳指導や一般的な経営相談といった従来の支援領域を超え、高度な専門知識や広域的な視点を必要とします。例えば、サプライチェーン全体の脱炭素化や、複数の市町村にまたがる事業承継のマッチングは、個別の商工会が単独で対応するには限界があります。
したがって、新設される広域経営支援センターは、これらの高度な課題に対応するための「専門家集団」としての役割を担います。
個々の商工会が対応する日常的な相談を補完し、より専門的かつ戦略的な経営支援を提供する拠点として機能することが第一の使命です。
広域経営支援センターの最大の強みは「広域連携」にあります。この連携は、これまで実現が難しかった新たな価値、すなわちシナジー効果を生み出す原動力となります。
さらに、「2024年版中小企業白書・小規模企業白書㊦」のコラム(2-3-1 Ⅱ-206ページ)で示されている「経営力再構築伴走支援」の理念は、広域経営支援センターが目指すべき姿と重なります。
支援者が経営者との「対話と傾聴」を重ねることで、経営者自身の「気付き」を促し、自己変革力と課題解決能力の向上を支えるアプローチです。
広域経営支援センターがこの伴走支援のハブ(中核拠点)となることで、金融機関、士業、よろず支援拠点といった外部機関との連携を強化し、事業者に対してより多角的で質の高いワンストップ支援を迅速に提供することが可能になります。
また地域資源の共同活用、例えば私達の地域では「ロケット射場」運用による機会を広域で捉え資源として活用することで、今まで気が付かなかった視点での事業展開が可能になります。