串本町商工会の会員の皆さま、新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
近年、串本町でご商売をされる皆さまは、色んな環境の変化に直面されてきました。
昨年、問い合わせが多かった【消費税インボイス制度の導入】や今年1月1日から開始される【電子帳簿保存法】、設備投資を目的とした各種補助金制度、開業廃業などの相談が多かったように思います。
また、商工会への具体的相談は少ないですが、【事業承継】【人手不足】【賃上げ】【原材料価格高騰】【ネット活用】【働き方改革】などは、取り組んでいる方もいらっしゃいますが、なかなか手を付けられていない方も多いのではないでしょうか?
経営をとりまく環境の変化は、一見少しずつに見えますが、やがて大きな変化となって突然大きな対応が必要になってくることが多いように思います。
このような【重要であるけども、至急ではない案件】こそ、注意して計画的に取り組む必要があり、また、すぐにやらない方が多い分、早期に取り組む効果はより高くなると思います。
この記事では、そんな【重要であるけども、至急ではない案件】として、【事業承継】【人手不足】【地域外からお金を稼ぎ、地域内でそれを還流させる】という3つのテーマについて触れていこうと思います。
事業承継については、国や県、商工会でも重要な課題となっています。
しかしながらセミナーをおこなってもなかなか集客できず、また具体的な相談になることが少ない案件です。
2025年には、団塊の世代全員が75歳以上となってしまい、国民の4分の1が後期高齢者になってしまうという超高齢化社会に突入してしまうという問題があります。
経営者が70歳以上の企業では、約半数が後継者不在による廃業・倒産の危機に直面するとされています。
串本町でも会員さんの高齢化が顕著になってきており、串本町商工会の会員数も近い将来、3分の2に減少してしまう見通しです。
様々な観光資源のある串本町ですが、観光で訪れる方が消費するお店が少なくなってしまい、その結果観光客の満足度が減少してしまい、リピート率が下がってしまったり、また、お店が少なくなることで、串本町に住む方の生活が不便になってしまうという心配があります。
この串本町を守るためにも、親族や従業員の方、また第三者承継なども視野に入れた対応、消費の受け入れ態勢の継続をぜひご検討くださいね。
★【事業承継】個人事業主の事業承継についてまとめてみました
★【事業承継セミナー】You Tube動画でごらんいただけます【R6年3月31日まで】
セミナー開催や、メルマガでの周知、和歌山県事業承継・引継ぎ支援センターとの連携支援など、今年も引き続き取り組んでいきます。
ただセミナーをする、情報発信する、相談を待つという姿勢では、会員の皆さまがたが思っていること、特に事業承継のようなセンシティブな相談を引き出せないということがございます。
商工会では【事業承継の支援】もおこなっていますよという周知広報活動を継続していくとともに、会員さんとのコミュニケーションの回数を増やすことで、具体的な案件を掘り起こして、支援に繋げたいと考えています。
★あなたの会社・お店の10年後を考えてみませんか?【和歌山県事業承継・引継ぎ支援センター】
この話題も当たり前の会話となってきています。
皆が、人手不足のため今まで通りのサービスや仕事をできない環境になってきています。
私の通っていたご飯やさんも、このあいだまで5~6人の従業員さんがいましたが、ある時みると1人で回しており、気づいたら閉店という状況になってしまっていました。
そのお店の詳しいことはわかりませんが、労使間の労働条件等の食い違いなどにより、一斉に従業員がやめてしまい、最終的な1人は業務に耐えられなくなってしまったのかななどと予想しています。
人手不足が原因で、従来の労働条件に不満を感じる従業員さんも増えていることもありえることですし、募集をかけてもなかなか入ってこない、そもそも人がいない。という状況が何年か続き、一気に噴出してきた感じがします。
人手不足の対応策として、一般的によく言われるのが
ですが、なかなかこれをやればOKというものではなく、複数の施策を同時にすすめる必要がありそうですね。
私が感じているのは、【①仕事全体の中で必要な業務、無駄な業務の棚卸し】【②給与体系をふくめた働く環境の棚卸し】【③ITツールによる効率化を楽しみながら取りいれる姿勢】が必要なんじゃないか?と思っています。
これらはすべて社内だけで検討するのではなく、外部の人間の客観的な視点も取り入れていかなければ、視野が狭くなってしまうようにも思えます。
また、これらをやったからといって、人口減少少子高齢化という大きな流れがある以上、本当に有効な手段は、IT利活用によって業務をできるだけ人手に頼らない態勢に近づけていくことなんじゃなかろうかと感じています。
今年度は、具体的な支援策を商工会でも模索して皆さまと情報共有していきたいと思っています。
対策に有効なセミナーや講習会などを、皆さまにご案内いたします。
働き方改革関連法案に対応した形への就業規則、労働条件等の変更なども必要になってきています。
無料で電話相談や、社会保険労務士などの専門家派遣をうけられる和歌山県働き方改革推進支援センターを活用することもできます。
★【働き方改革】に対応して、安心で働きやすい会社にしませんか?/和歌山県働き方改革推進支援センター
DXに関する専門家派遣制度も1月末まで活用できます。お申し込みは串本町商工会まで。
★【デジタル化】の課題にお悩みの方、専門家の相談を受けられます
★【デジタル化の第一歩】商工会のHP作成ツール【グーペ】を使って、商品やサービスをPRしてみませんか?
★【DX】普段の仕事にも活用できる、身近なAI活用事例をご紹介【ChatGPT】
誰もが考えることですが【言うは易く行うは難し】ですね。良いのはわかっていますが、なかなかできないことの一つです。
【地域外】とは、県内他地域なのか、国内の県外なのか、海外なのか、ネット民なのか、業者なのか一般消費者なのか、など選択肢が多く考えるのがめんどくさくなってしまうかもしれません。
何を売ってお金を稼ぐのか?どんなものが売れるのか?
地域内でお金を還流させるといっても、地域のお店でお金を使うのか、大手大規模店舗などで使うのか、業者に使うのか、またネットなどで使ってしまうのか?などと選択肢が無数に存在します。
まずこの中で、自社がどのポジションにあたるのかを確認し、どんな層から、どういう方法でお金を稼いでいるのか?またターゲット層は今後増加するのか、減少していくのか、などを考えていく必要がありそうです。
また、自社を急激に変化させる必要があると考えても、人間は変化に対して抵抗感が多かれ少なかれあります。
一気に変化して、抵抗感を感じる時間を短くする方法もありますが、抵抗感に打ち勝つためには、気づかないぐらいの小さな変化の積み重ねが有効とされています。いわゆる【塵も積もれば山となる】ですね。
販路開拓に役立つ情報を発信します。
中でも【小規模事業者持続化補助金】の活用や、補助金申請に必要な【事業計画策定支援】には引き続き取り組んでいきます。
★随時更新:【補助金】を活用して経営に活かしませんか?募集中の補助金をまとめました
セミナーの開催や専門家派遣制度も活用できます。
★随時更新:【セミナー情報】現在募集中のセミナーをまとめてご案内!
★【専門家派遣制度】難しい問題の解決の糸口に!!【エキスパートバンク制度】の活用をご紹介!
この記事では、事業承継、人手不足、地域外からの資金流入などの【重要だが緊急でない経営課題】について解説してきました。
これらの課題には計画的に取り組む必要があり、早期対応の効果が高いとされています。串本町商工会は、セミナーや専門家派遣制度を通じてこれらの課題に取り組む支援を行っています。
これらの課題は、地域経済の持続可能性と成長に不可欠なことであり、商工会員の皆さんには、これらの課題に積極的に取り組み、商工会をフル活用して、串本町での事業をますます発展させていただきたいと切に思います。
商工会職員一同、今年も精一杯、皆さまのご商売の発展のお手伝いをしたいと思っています。皆さまも経営のお困りごとなど、これまで以上に商工会をご活用くださいね。